沈む夕日
僕は沈む夕日と君の背中を見ていた
僕はいつも君の少し後ろを歩く
部活で肩を怪我した後遺症で君は両手で鞄を持つようになった
丁寧に暮らしている儚げで強い君が大人に見えた
この景色を僕達は今日、卒業する
もう二度と見ることのない沈む夕日の中に居る君を眼差しの奥に閉じ込める
それでも薄くなっていくだろう記憶にセンチメンタルな気持ちで今を見ていた
君は後ろを歩く僕の横に来て
「一緒に夕日を見よう
この日を忘れたくないの
怪我して部活が出来なくなって
こうして帰る途中、泣いて立てなくなった私の泣き顔を見ないように気を使いながら
立たせてくれた……ありがとう」
「一緒に写真も撮ろう」と言う君の横で
照れ笑いをした
あれから毎日、僕だけがこの夕日をひとり
照らされて帰り道を歩く
僕も君ももうあの日あの時のように制服を着て
帰ることはない
だけど『思った以上に記憶って薄れないんだな』と呟いて、いつもの坂道を今日も明日も
僕は歩いて行く
君の目を見つめると
桜の花びらが舞い降りていた
君は今、風に散りゆく花びらを見ている
昨年も今年も何気なく見ているけど
来年はどうかな?と思う
僕にはまだ未来を決定してしまうほどの
強い翼は持っていなくて
気を守る自信がない
そんな事を思っていた5年前
君は僕の元を去って新しい人生を生きている
僕はあの日と変わらずただ成長するだけの翼は持ったけど見た目だけ立派に見える翼は
案外脆い
あの時……遊びたい気持ちもあったんだ
まだ未来には君の他の女性を知りたい自分がいた
だけど…通り過ぎて行くばかりの人で
何にも残ってない…何か間延びした情けない自分がいる
この先も変わらないなんて思っている時点で
明るい先なんて無い
忘れていたんだ自分の事
多少ネガティブな自分には
多少アクティブな君が丁度良かったって
僕をアクティブにしてくれていたのは
君の明るさだったんだなって
星空の下で
星空の下で君と家の灯りはどれだけ灯っているだろう?クラスメートは暖かな夕飯とお風呂に入ってるだろうか?
ヤングケアラーと言う現実を知ってから
自分のクラスメートはグループの友達は親友でさえ本当の家での顔は見せてないかも知れないと思うようになった
自分がもしヤングケアラーなら
なんとなく友達には話せない気がした
自分のせいじゃないのに…育ってる家庭が両親がそうなんだと…可哀想な人になりたくないだろうなって、普通の友達として見てほしいと思うだろうなって思うんだ
そういう自分は母親は男と出て行って
父親は女の家に行っていて
家に一人なんだけど
親って難しいよな……
僕はもう自分の事くらい出来る
家事も風呂も飯も歯磨きも…
なのに…自分は1人だと思うと心が沈む
母親が自分を捨てて出て行ったと思う程
子供ではない、両親もそれぞれの心情があって出て行ったと思える程、人の心は善し悪しだけで生きていけない事も分かっている
なのに、この涙の理由はわからない
一番わからないのは自分の心だ
みんなの家の灯りが暖かいことを願っている
それでいい
「それでいい」と…思う時はいつも諦めている時で7割方ネガティブな心境なんだ
これと言って人に得意な事と言える事もなく
履歴書の特技って欄は勿論空白
今時、特技って剣術とかやぶさめに近いニュアンス もっと幅広く浅い内容でも良いやさしい言い回しなら自分にだって何か書けそうな気がする
こんな事なら小学生の頃に習っていた習字をもっと続けたら良かったなと思う
綺麗な字は賢そうじゃないか
書いてあるだけで反省しているようじゃないか
それに書道家の書く文字はなかなか自由で奇抜だったりで面白い、そしてカッコイイ
こんなカッコ良さに憧れるネガティブ70%の自分でも続けている事がある
自慢ではない、いや他に自慢出来る事もないので自慢にしよう
毎日、読書をしている
それがハリー・ポッターであろうとその気にだけなれる自己啓発本であっても
好きで読んでいる
そう…好きに勝てる原動力は自分にはない
「それでいい」と思っている
大切なもの
一つに決めるのは難しいな
ただ良くも悪くも友達かなと思う
やっぱり人って群れて安心したり
お喋りするくだらない時間て
ホントにどうでもいいテレビで放送してた
タイム・スリップの話で「そうそう」なんて小さな共感が笑顔にするし
『無駄な時間が楽しい』
がんばって何か覚えたりすることも苦しいけど達成感があってそれも嬉しいけど、それは1人でも出来る
ただそのお喋りの相手って基本考え方が違うから深い話は合わない
余計に頭の混乱を招く
だからって友達はやめない
悪い人ではない
軽口なら楽しめる
その軽口を話せる相手がいる人数だけ
小さな幸せがいっぱいある気がする