懐炉 @_attakairo

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1/13/2026, 1:23:37 PM

終点のない列車に乗り込んで、ただ揺られていた。
切符は早々に回収された。
乗務員がいうには「リサイクルの為です」と。命はまわす必要があって、終点がないのもその為だという。
外の景色はよく移り変わった。
眠気に身を任せるたびに。ゆえに目を覚ますたび、別世界へと入り込む。
カラフルな気球が晴空に浮かんでいた。かと思えば雪枝の山中を走っている。かと思えば金銀、小魚の群れが泳ぎ去り。かと思えば……

終わりなく眠ってしまう。
不思議とからだの疲れはなくて、もうどれだけの駅を過ぎたのか、はたまた停まっていたのか定かでない。
心地良く。
仮に今「降りてください」といわれても動けそうにない。

乗務員が巡回にきた。手帳のようなものを開き、切符を見せろという。

切符はもう渡した。
降りる予定の駅はない。

このように伝えると、相手は頁を捲りながら無言でしばらく立っていた。そうして何度目かの景色が過ぎた。

「リサイクルの為です」頁を捲り終えた乗務員がいうには。
「いちど本来の姿に戻し、さいど命をうみ落とす為の」
流されてゆく景色と眠気。噛みころす欠伸。
相手は繰り返す。
「再生の為です」
言い直すように強く。
まぶしさに車内が染まるなか、白、黄、赤などの光をみた。

サイセイのためです。
また言い直すように。
それは「再生」というよりも、別のなにか、響きとしては終着が始発に変わる瞬間に近いなにかを感じさせる。

【夢を見てたい】

1/11/2026, 3:32:18 PM

眠れないね 雀たちが挨拶しだして
起きあがれないね 床には

ただひとりの生き物がいて
冷たくなった 脚とこめかみ、酷い頭痛
身を包むものが無いから
抱えこむものも、無いから
冷たくなってただひとり

ころがってる 生きたまま
ただひとつ、冷えたことばが
ころがってる 顔のすぐ横

着込んでも寒風 通り抜けたように

床で縮こまった体 串刺しにされた

まるで解凍の時を待っている
生き物、ことば
冷気に浸され 目を瞑り
一回、
二回 くしゃみした

【寒さが身に染みて】

1/10/2026, 2:37:06 PM

古い会話履歴は削除した。
見返さない写真は削除した。

今に不必要なら棄ててきた。

約束される度、無責任に同調した。
寝付く度、穏やかな最期を想像した。

微かな期待は気のせいにした。

もとから居なかったんだよ。
それでも世界は変わらず回っていたんだよ。


ああ


でも、


長く生き過ぎた。

この日がくるまでに本当は、
本当はね、

……。

本当は絶望していたかった。
戻れなくなる度、幼さだけ引きずられて人生が進むんだ。

【20歳】

1/9/2026, 1:20:44 PM

くろわっさんさくさく
ほしをちりばめて
とけたまーがりん
かんぺきなすがた
みあげたよるは
ほそぼそくとげり
かげるさかさくろわっさん

くろっさわんさか
かたちをかえる
こんがりばたー
ちでちをあらう
どこからのぼり
どこへしずんだ
くろくさんかくろわっさん


みかづきだけで

おかおをえがくと

なんだかぶきみねくろわっさん

【三日月】

1/8/2026, 2:16:00 PM

縦横に広いテーブルがあって。
正方形の紙や、布の切れ端、糸やボタン、花びら、
結晶、砂、星、葉っぱ、
そういったものが多彩に散らばっているとするでしょ。

好きなように織ってみて。
まずは素材を選んで、次に色やかたちを選んで、


だけどもし、テーブルのうえのそれらが境界もなく混ざりあって、川のように流れ出したら?

手触りもかたちも消え去って、最後にあなたは色を探す?


――何だって、選べるほうが深みが増すかも。違いがあったほうが面白いかもしれない。交じり合うことは混ざり合うよりも健全で、理想的で在りたいとも。


そしていま目の前に、にじんだ色々が流れている。

あなたはスポイトを手に取る?

染料にするため?
抽出した一滴がなみだのように無色透明だったとしても?

【色とりどり】

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