年 月 日(☂) :
朝、ねぼうした。先生におこられた。
給食のカレーはおいしかった。おかわりした。
年 月 日(✸) :
みんな同じクラスだった! 神!
はじめてヒゲそったら口のはじが切れたっぽくて、地味に痛い。
年 月 日(★) :
今夜は流星群だって。わざわざ外に出るのめんどいから、もう寝るけど。
年 月 日(✸) :
来年は受験生かー。もっと遊びたい。
数学のテストは意外といい点とれた。
『()内は天気を書く欄ではありません。』
年 月 日( )✸:☂
なんか、どっかから落ちる夢みた。からだバラバラになってて「やば!」っておもったけど、ぜんぜん痛くないし、今思えばそっちのほうがやばかった。
✕✕、ありがとう! ずっと間違えてた。
( )には何を入れたらいい?
『私は✕✕ではありません。()内への記入の必要はありません。』
年 月 日( ) :
また同じ夢見た。すごく高いところから落ちてる。
受験やだな。
ごめん。なんて呼べばいい?
あと、天気はどこに書けばいい?
年 月 日( )☂:
また落ちた。場所は覚えてない。
『天気を書く必要はありません。』
年 月 日( ) :
年 月 日( ) :
雨がふってて寒い
年 月 日( ) :
年 月 日( ) :
まだ落ちてる
年 月 日( ) :
年 月 日( ) :
年 月 日( ) :
『人生を記録する必要はありません。正確に夢の内容を書いてください。』
【君が見た夢】
なにが不安?
言葉にするのもつらい様子。
その顔をよく見せて。
それから溜息。大きく吐いて。
なにか思い出した?
それは走馬灯では懐かしく感じるかもしれないし、
誰の人生にも記録されない虚像でしかないかもしれない。
なにもしたくなくて、ここにいる?
存分に。
身が朽ちるまでいたらいい。
ともに朝日を浴びて化石になって、粒子に還って波に乗ろう。
明日は宇宙へ旅に出よう。
変更線の無いばしょへ。なにを持ってく?
なにが大切?
この際だからおもい荷物は捨てていこう。
旅に不安はつきものだから。
思えば、ここも旅先だから。
【明日への光】
永久恒星なんてどこにもないの
生まれたものは死んでゆくから
探している星は見つからないの
もう望遠鏡にも映らないから
死ぬ瞬間なんて視たくはないの
美しさを求めるのは罪深いから
お母様、みんな死んだら冷たくなるのね
だから永遠を誓うと切なくなるの
星も名付けられる生命だから
【星になる】
「いだっ」
「……何故、こんなところに」
「なぜって転寝日和の午後だから、それも経った今終わったけど」
「助教が涙目になって探してますよ」
「今日は休講だよ」
「経った今決めたでしょう」
「うん」
「先週の課題の、答え合わせなんですが」
「答えのある課題なんて出さないよ。なんにも面白くないったら」
「結局判りませんでした。締切だって昨日思い出して、徹夜です」
「一夜漬けじゃないか。君そういうタイプなのか、面白いね」
「判らないのが正解ですか」
「正解は無いよ」
「すると、鐘は鳴らないのかもしれませんね」
「何故そう考えたのかな」
「基本的に私たちは無関心だから」
「…………」
「それとも教授、貴方は『聴こえなかった』とでも言うんですか?」
「いいや。君の言うとおり、私たちは基本的に無関心で、無責任で怠慢だからね」
「そこまでは言ってません。早く起きてください」
「悪いね。ところで何か忘れているよ」
「なんです」
「君に足首を踏まれたんだが」
「教授」
「うん」
「次の講義に遅れます」
「そのようだね」
「急ぎましょう」
「ここから間に合うかな」
「走れば一分前には着きます」
「……では肩を貸してくれるね?」
【遠い鐘の音】
暖色と寒色、交互に照らされた夜道を踏み荒らしたくないので迂回した。
美しさとは想像を超える。
想像を超えるものは、やはり想像を超えて遥かに恐ろしいので、人は近づかないほうが良い。
それでも質感が気になって、手にすくってみる。
想像では柔らかな冷たさがあって、すっと溶けた。
実際には激痛に痺れがあって、じんわり熱を帯びたまま。
これが雪。
これが美しさの本性か。さらさらと溶けては消えず、べたりとした触感が残る。
それでも懲りずに、
逆さ箒の枝の幹。
座れない長椅子。
結べない星座。手を伸ばしてはいけないものの正体を確かめる。
明日は快晴。
細氷の眠りが夜道に敷き詰められている。
【スノー】