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7/31/2024, 12:09:30 AM

「にーに!、サンタしゃんはほんと〜にいる〜〜??」


澄んだ瞳をこちらに向けて尋ねてきた



俺は応えた



「もちろん、いるぞっ」





そう言うと、

妹は、嬉しそうに、足をバタバタさせた。




そんな妹を見て、俺はホッとしたが、少し戸惑った、、、






実のところ、今年は''サンタ''がいない。








いや、「''プレゼントを渡す人''がいない」

と言った方が正しいだろう。





去年までは両親がいたが、、もういない。




今は、俺と妹の2人だけだ。





「サンタさんには何を願うんだ?」





俺は、平然を装って、聞いてみる。





「、、あのねぇ〜、」



妹はニコニコしながら、

俺の耳に手を当てて、コソコソと話してきた。



「''にーに いつも おしごと がんばってるから

やすませてくだしゃい''って言うのっ」




妹は、満足そうに顔をほころばせた。





俺は言葉が返せず、 涙ぐみそうになり、下唇を噛みしめた。

7/29/2024, 10:22:06 PM

妹を救うため、彼は走った。


嵐が来ようとも、彼はひたすら走った。


怒号を浴びても、彼は妹のところへ向かって走り続けた。





路地裏を進み、狭い小道を進み、

ついに、古びたダンボール箱の前までたどり着いた。




彼は妹の名を呼ぶ。


しかし返答はない。





辺りを探しても妹の姿はない。





すると、背後から足音が聞こえた。




慎重にふりかえると、


そこには妹を抱えた大きな人間が立っていた。






彼は、咄嗟に「俺の妹を離せっ!!」と必死に言うが、
人間は動じず、微笑んでいる。



人間は、「怖がらないで、」と言うが、
彼には伝わらない。



その時、妹が人間の腕からジャンプをして、


彼のもとへ近づき、こう言った。




「この人ね、空腹で瀕死状態だった私を助けてくれたの!」



彼は目を丸くした。


「、、、へ?」



呆気にとられていると、人間が近づき、手を伸ばしてきた。





彼は少し考えたあと、意を決して人間の手にそーっと近寄る。







すると、人間は柔和な笑顔を見せ、
彼を優しく撫でた。

7/28/2024, 9:53:36 PM

今日は地元のお祭りだ。


戦隊モノの仮面をつけて走る男の子や、

おめかしして誰かを待っている女の子、、、。




私も去年までは''そこ''にたっていたのかと思うと

目の奥がじんとして視界がにじむ


「もうすぐ一周忌か、、」


そんなことを呟きながら母との会話を思い出す





「ままっ!!あそこの焼きそば食べよーよ!」


「もうっ!、高校生なのよ?」


そう言って母がフフっと笑う。

そんな母につられて、私もクスッと笑ってしまう。







忘れていた母との思い出が

今では鮮明に蘇ってくる。



「あっ、この屋台、、」


出店を見て回っていると、

母と一緒に食べた焼きそばの屋台が立っていた。



「、、、あの頃に、、っ、、、戻りたいっ、、、」



張り詰めていた涙腺が一気にゆるんでいく