「1年後」
1年後なんて、どうなっているのか、誰にも分からない。
苦しい、辛いと感じる事も経験するだろうけど、なんとか笑って前向きに日々を過ごせているといいなと私は星に願った。
「子供の頃は」
私は、大学のサークルで知り合った、同じ趣味を持つ仲良しの友達とルームシェアをして暮らしている。
「そういえば、あなたの子供の頃はどんな子供だったの?」
君が突然私に聞いた。
「子供の頃は、すごく根暗だったよ」
「そうだったの?」
君は驚いた顔をしていた。
「でも君に出会って、同じアーティストやアニメを好きになって、だんだん明るくなっていたんだ」
「君のおかげだよ。ありがとう」
「私は何もしてないけど、そう思ってくれていて嬉しい」
「うん!」
「君の子供の頃は?」
「私?!私は、好きな事には、熱中していたけれど趣味が合うような友達があまりいなくて暗かったから、あなたと同じような感じだったよ」
「意外だね。でも昔から好きな事には熱中していたのは、想像できるなぁ」
「そっか」
「あなたの子供の頃の話が聞けてよかった」
「私も君の子供の頃の話が聞けて良かったよ!」
二人、笑い合っていた。
これからも私達のルームシェアは、続いていく。
「日常」
私は、私の日常を生きる。それでいい。
日常を大切にして私は、日々を生きたい。
「好きな色」
昔、学生の時、友達と好きな色の話になった。
「あたしは、オレンジとか明るい色が好き」
友達が言った。
「私はグレーとかシンプルな色が好き」
「えー。あたしは、グレーとかは嫌だ」
私は好きな色を否定されて、ショックだった。
今は思えば、その友達とは価値観が違っていた。
学校を卒業後、その友達とは会っていない。
その出来事から、自分の好きな色や物を人に話す事をやめてしまった。
私は、仕事帰りに公園のベンチに座っていた。
「はぁ。なんで昔の事、思い出したんだろう」
ため息が出た。
「やぁ!」と声をかけられた。
隣の家のお兄ちゃんだった。
昔から、家族ぐるみで仲が良く、私が小さい頃はよく一緒に遊んでいた。私が学生の時は、勉強を教えてもらっていた。
「お兄ちゃん」
「ため息をついている君がいたから、何かあったのかなと思って」
「お兄ちゃんは優しいな」
「隣座ってもいいかな?」
「どうそ」
「昔の事を思い出したんだけなんだ」
私は話を切り出した。
「そっか。聞いてもいい?」
私は、好きな色を否定された話をした。
お兄ちゃんは、親身に話を聞いてくれた。
「それは、辛いね」
私はコクリと頷いた。
「俺も好きな色や物を否定されたら、ショックだよ」
「グレーとかシンプルな色が好きな君のままでいいと俺は思う。だって、誰かと合わせると疲れるだろう?」
「そっか。私のままでいいのか」
「うん」
「アドバイス、ありがとう」
「いえいえ!」
誰かに、相談する事で、心が軽くなる事があるんだなと私は思う。
「あっ、そうだ!おかずを作りすぎて困っているから、君も久しぶりに俺ん家でご飯食べていかない?」
「うん!」
私達は、公園を後にした。
お兄ちゃんの家で、食べたおかずは、とても美味しかった。たまにはこんな日もいいかなと私は思った。
「あなたがいたから」
「ただいま!」
君の元気な声がした。
「おかえり!」
僕は玄関で君を迎えた。
「じゃーん!花束だよ!あなたがいたから、私はここまで生きてこれたし、強くなれたんだよ。いつもありがとう。これからもよろしくね」
君は笑顔で言った。
「そんな。僕の方こそだよ。こちらこそこれからもよろしく!」
僕も笑顔になっていた。
僕は、君から花束を受け取った。
「花束、ありがとう。リビングに飾ろうか」
「うん!」
今日は、僕達が出会った日。僕達は、これからも二人で支え合って生きていく。