「街」
僕の故郷の街には、一つのルールがある。
それは、「広い世界を知るために、一度は街を出て、そしてまたこの街に戻って来る事」だ。
街を出る時、僕はすごく寂しかった。この街には心優しい人達が、たくさんいて、毎日が楽しかったから。
街を出た後は都会で暮らし、仕事をし、多くの人と出会い、様々な出来事を経験した。広い世界を知る事が出来たと思う。
僕は今日、故郷の街へ家族を連れて戻ってきた。
「懐かしいな」
街の風景を見た時に、僕は呟いていた。
僕は、街の風景が好きだった事を思い出した。
この街での新しい生活が今から始まるんだ。と僕は思った。
「やりたいこと」
「私のやりたいことか」
自室で独り言を呟く。
学校でやりたいことについて作文を書くという課題が出た。
「やりたいこと。あっ!」
やりたいことについて考えているうちに、昔、友達と語り合った夢の話を思い出した。
やりたいことなんてないだろうなと思っていたけれど、私は、やりたいことがあったんだ。なんで忘れていたんだろうと私は思った。
「イラストで賞を取る事」と作文に書いて提出した。
時間はかかるかもしれないが、今からでもやってみようと思う。
「朝日の温もり」
「温かいな」
私は朝日の温もりで目を覚ました。
久しぶりによく寝た。
また一日が始まる。とそう思い、自室を出た。
「岐路」
僕は、人生の岐路に立っている。
どの道が正しいのか分からないけど、自分が選んだ道を進んでいこうと思う。
「世界の終わりに君と」
SNSやテレビなどで「世界が終わる。そして世界が終わる時には世界中に鐘の音が鳴り響く」という情報が流れた。
「嘘だろ?」
僕は、冗談だと思った。
家の廊下を急いで走っている音がする。
ドアが開いて、君が部屋の中に入った。
「ねぇ!君も見た?世界が終わるっていう情報!」
君が言った。
「うん。見たけど。冗談だろ?」
「それが、冗談じゃないみたいで」
「まじで?」
「うん」
「じゃあ、世界の終わりに君は何をしたい?」
「私は、君と世界一綺麗な景色を見たい!」
「じゃあ行こうか」
僕がそう言うと、君は嬉しそうに頷いた。
世界の終わりに君と世界一綺麗な景色を観に来た。
「きれいだね」
「うん」
僕たちは、綺麗な景色をただ見ていた。
「僕は、世界の終わりに君と、綺麗な景色を見れて良かった」
「うん。私も良かったよ」
僕たちは帰宅し、美味しいものを食べたり、二人でゆったりと過ごした。
僕たちは、最後まで一緒にいた。
「僕は、最後の時まで君と一緒にいれて良かった」
僕が呟いた。
「私も君と一緒にいれて良かった」
二人、笑い合っていた。
世界が終わる時を知らせる鐘が世界に鳴り響いた。
僕たちは、手を繋いで、目を閉じた。
そして、何もかも無くなった。