宮平和実

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6/7/2024, 2:22:36 PM

「世界の終わりに君と」

 SNSやテレビなどで「世界が終わる。そして世界が終わる時には世界中に鐘の音が鳴り響く」という情報が流れた。

「嘘だろ?」
 僕は、冗談だと思った。
 家の廊下を急いで走っている音がする。
 ドアが開いて、君が部屋の中に入った。
「ねぇ!君も見た?世界が終わるっていう情報!」
君が言った。
「うん。見たけど。冗談だろ?」
「それが、冗談じゃないみたいで」
「まじで?」
「うん」
「じゃあ、世界の終わりに君は何をしたい?」
「私は、君と世界一綺麗な景色を見たい!」
「じゃあ行こうか」
 僕がそう言うと、君は嬉しそうに頷いた。

 世界の終わりに君と世界一綺麗な景色を観に来た。
「きれいだね」
「うん」
 僕たちは、綺麗な景色をただ見ていた。
「僕は、世界の終わりに君と、綺麗な景色を見れて良かった」
「うん。私も良かったよ」
  
 僕たちは帰宅し、美味しいものを食べたり、二人でゆったりと過ごした。
 僕たちは、最後まで一緒にいた。
「僕は、最後の時まで君と一緒にいれて良かった」
 僕が呟いた。
「私も君と一緒にいれて良かった」
 二人、笑い合っていた。
 世界が終わる時を知らせる鐘が世界に鳴り響いた。
 僕たちは、手を繋いで、目を閉じた。

 そして、何もかも無くなった。


6/6/2024, 11:57:44 AM

「最悪」

 仕事帰りに買い物をして帰宅する途中に嫌いな人を見かけた。
「最悪だ」とつぶやく。
 相手も私に気付いたようで、声をかけようとしているのが分かったので、その場を離れた。
 その日は最悪な日になった。

6/5/2024, 11:36:57 AM

「誰にも言えない秘密」

 誰にも言えない秘密。それはだれにも言えない。絶対に知られないようにする。
 もし秘密を知られたら、私はトボケるだろうな、きっと。

6/4/2024, 11:58:50 AM

「狭い部屋」

 私の実家の自分の部屋は、狭い部屋だった。
 小学生くらいの時、親に「なんで、私の部屋は狭い部屋なの?もっと広い部屋に住みたい!」と言った事がある。
「私たちの子供の頃は、自分の部屋がなかったり、もっとせまい部屋だったよ。我慢しなさい」と、
親は私に言った。私は、何も言えなくなってしまった。
 思春期の頃、色々な事で悩んでいた。その時は、自分の部屋が狭い部屋で良かったと初めて思った。なぜだか、安心感があった。
 それ以来、悩み事があると、安心感を得たり、自分の考えをまとめたりして落ち着く事が多くなり、狭い部屋、自分の部屋にこもる事が増えた。
 社会人になり、広い部屋がある一軒家を購入した。広い部屋に住むことが夢だったから。思春期の頃の経験を活かして、1部屋だけ狭い部屋を作った。
 私は、これからも狭い部屋で安心したり、落ち着いたりする事があるだろうなと思った。

6/3/2024, 10:23:12 AM

「失恋」

 私は、涙を流して泣いていた。涙をハンカチで拭いても拭いても涙が溢れてくる。
 失恋をしたのだった。ショックだった。辛い。好きなあの子が幸せだといいなぁ。と思った。
 外は、土砂降りの雨が降っていた。
 私の失恋が、この土砂降りの雨で流してほしい。と外を見ながらそう思っていた。
「私、幸せになるぞ!」と自分に喝を入れた。
 私は、空き教室を出ていった。

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