「終わりなき旅」
昼休み。コーヒー缶とサンドイッチを持ち、休憩室へ向かう。
休憩室に入りいつもの席の椅子に座って、サンドイッチを食べながら僕は仕事ができず、落ち込んで自己嫌悪に陥っていた。
だけどクヨクヨしていても状況が変わるわけがない。
「ここで終われるわけがない。もう少し頑張ろう」
独り言が口に出ていた。
独り言を誰かに聞かれていたら恥ずかしいと思い、ハッとした。
辺りを見回したが、人はまだいなかった。
サンドイッチを食べ終わり、コーヒー缶を飲み干した。
コーヒー缶をゴミ箱に捨てた時、僕のネガティブな気持ちも一緒に捨てたような気がした。
さぁ、僕の終わりなき旅、人生はここからまた始まるんだ。と思いながら、休憩室を後にした。
「ごめんね」
私と友達はささいな事で喧嘩してしまった。いつもなら、すぐに仲直りするが、なかなか謝る事が出来ず、長引いてしまっている。
友達が、今日は風邪で大学を休んだ。授業のプリントを届ける事とごめんねと伝えるため、友達の家へ行く事にした。
ピンポーンとインターホンが鳴り、ドアが開いた。友達が出てきた。
「ゴホッゴホッ。今親が、買い物に出かけていて私、1人なんだ。今日は、何の用事かな?」
「今日、君、大学を休んだから授業のプリントを届けにきたんだ」
「そう。中に入って」
「うん。お邪魔します」
2階の友達の部屋に入り、机をはさんで座る。
「はい。これ。授業のプリント」
「ありがとう。ゴホッ。風邪をうつしたら悪いから早く帰って」
「いや。私、君に謝りたいから家に来たんだ」
深呼吸をし、君の顔を真っ直ぐに見て言った。
「この間はごめんね。君の気持ちを考えないまま、自分の気持ちを押し付けてしまった」
すると、友達は目をそらして言った。
「あんまり、真っ直ぐ見ないでほしい。なんか照れる。ゴホッ。いや、私の方こそ、あんな言い方をして君を傷つけた。ごめんね。仲直りしたいな」
「うん!」
「あっ、そうだ。お見舞いにぶどうのゼリーを買ってきたよ」
私はリュックからゼリーを取り出した。
「ありがとう」
「早く風邪が治るといいね」
友達は頷いた。
「じゃあまたね!」
「じゃあまた!」
私は友達の家を後にした。帰り道に「ごめんね」と謝る勇気も必要なんだなと思った。
後日、友達は元気になった。今は、一緒に授業を受けて、課題のレポートを書いたり、弁当を食べたり、大変だけど楽しい日々を過ごしている。私はこの友達との関係がこの先も続くといいなと思っている。
「半袖」
5月なのに、真夏日の暑さで嫌になる。周りを見ると、今日は半袖の人が多いと思った。
私も今日は、半袖だ。昨日、急いでタンスから半袖を引っ張り出した。
これから、また暑い夏がくる。今年も扇風機やエアコンが大活躍するだろうな。と考えながら会社へ向かう朝だった。
「天国と地獄」
「君の思う天国と地獄ってなんだろう?」
病室で君は僕に言った。
僕は答えられなかったが、今なら分かる。
君と一緒にいたあの時間は、天国だった。心から楽しかった。
でも君がいなくなってからは、さみしく、辛い。今は地獄だ。早く君のもとへと思いながら、空に手を伸ばす。けれど、君は僕がそうするのを許さないだろうし、望まないだろう。
以前、君は自分がいなくなっても僕が笑って過ごしてほしいと言っていた。
さみしいし、辛いけれど、笑って過ごせるようになるといい。地獄から天国へと少しずつ変わっていくかもしれない。僕は、君の事を忘れない。
「月に願いを」
夜、月を見た。今日は、月に願い事をしてみようと思った。
「私も含め、みんなが幸せに暮らしていける世界になりますように」と月に願いをした。
いつか、叶うといいなと私は思う。