ゆーがめ 普通イカの高校生

Open App
12/23/2024, 2:53:44 AM

『ゆずの香り』

早くいなくなってしまいたい
消えてしまいたい
もう忘れ去られてしまいたい

自己嫌悪、自己嫌悪の繰り返し。

冬の夜に静かな街で
積もった雪に静かに
大の字に寝そべった。

頭から足先が震える中で
隣の家の風呂の湯気。
暗がりに佇む白い湯気から
ほんのりと、
ゆずの香り。

こんな状況でも、
なんだか心が落ち着く気がする。

もう息絶えてしまいたいのに。

まだこの世界で生きていたいなんて

12/15/2024, 12:35:50 AM

『イルミネーション』

#2)
だって、貴方がいなければ、
みんなこの過去はなくなってしまう。
すべて、
この心に残った温もりも、
貴方の声も、顔も、やさしさも、
全部。

どうして
いなくなってしまうの

私は、
私の中のガラスの器は、
いつまでも空っぽのまま。

一緒に飲んだコーヒーも、
手を繋ぎながら見たイルミネーションも。

きれいだね、なんて言いながら。

その記憶を最後に。

12/14/2024, 9:28:16 AM

『愛を注いで』

#1)
あなたにとっての。
私にとっての。
温かいもの。
あたたかくて、
でも
どこか寂しくて

貴方がいなくては
私の人生は、
空のガラスの器。

貴方がいなくては
私の器は空っぽのままで、
そのうちきっと割れてしまう。

だから、
貴方が
愛を注いで

11/27/2024, 10:57:05 AM

『愛情』

何度も何度も、
何かに苛ついて、
何かを言い訳にして、
傷付けた。

そして、失ってから気付く。

母親という存在。
彼女に何度も罵詈雑言を吐いてきた。
数え切れないほど。

そして、今になって後悔する。

あのとき気付いていれば。
あのときわかっていれば。

やさしく言葉をかけてくれたこと。
雨の中送り迎えをしてくれたこと。
耳にたこができるほど心配してくれたこと。
叱って誤った道を正してくれようとしたこと。

もっと早く、気付いていれば。

それが、世界で一人の母から授かった、
世界で一人の愛情なのだと。

11/26/2024, 11:06:44 AM

『微熱』

思いがけない雨で、
あと3時間は降るんですって。
帰らなきゃいけないのに、
とうてい傘なんて持ってない。

鞄を抱えて、
ただひたすらに帰路を走る。
頭頂部に当たる冷たい水。
肌に纏う寒気。
寒さに固まり、動かしづらい足。
その足に染み込む大量の水。

そして翌日。
頭痛とともに倦怠感。
持ち上がらない腰。
回りにくい首。

微熱

そう連絡するとお見舞いに来てくれた。
少し寝てしまった後、目を開けると、
私が恋心を抱いている彼がいた。
やさしく声をかけてくれる。

なんだか、微熱も悪くないかも。
なんて、
今日だけは許して

Next