『逃れられない』
何度も、何度も、苦しんできた
何度も、何度も、泣いてきた。、
いつもいつも、
殴られたり、叩かれたり、
暴言を吐かれたり、ご飯が出されなかったり。
そんなものは日常茶飯事。
もう嫌だ。
勝手にわたしを産んだくせに、
なんで責任を取れないんだろう。
それどころが、
何故傷付けてくるんだろう。
きっと、この運命からは、
逃れられない。
この母親からは、もう逃れられない。
きっと、この社会からも、
もう逃れられない。
苦しい。
逃れたいのなら、
自らの首を、
縛り上げるだけ。
もう、逃れられないから。
『また明日』
あの子とは、これが、最後の会話だった
──また明日ね、ばいばい
そうやって笑う彼女を見送ってから、
その「明日」はもう来なかった。
いつまでも、次の日が来ると思ってしまう。
いつまでも、明日があると、思いたい。
手を振ったのが最後、
気付いたら、私を見送ってくれた彼女には、もう会えなかった。
そうか、私、死んだんだった。
明日がある彼女を、
果てしない空の上から見下ろす。
それはどこか悲しげで、どこか儚くて。
明日がある、なんて思った私。
私に明日がない、なんて思えなかった彼女。
これがきっと、最後の言葉。
「また明日」
『透明』
わたくしの人生は、全て色でできている。
胸を張って語れる程ではないけれど、
少しだけ誇れる人生。
わたくしが思ったことをすれば、
良い結果になる。
わたくしが歩けば、
道ができる。
そんな、都合のいい人生。
でもこの人生は、全て透明な色。
良く言えば透き通っていて、
悪く言えば何もない。
わたくしは、何をしてきたんだろう。
今までの、透明な人生で。
『理想のあなた』
私が求める理想。
その全てが空想で、
その全てがたまらなく、
欲しくなる。
細かいことや押しつけなんて言わないけれど、
自分がしたいこと、
それだけが理想ってわけじゃない。
なりたい自分、
強く願ったことが
貴方が求める、
理想のあなた。
これからどう、
その理想になるのか、
どんな道を通るのかはあなた次第。
そんなことを思いながら、
15歳の冬、鉛筆を握りしめた。
『突然の別れ』
愛する人ほど、すぐに別れてしまう
大切な人ほど、すぐに別れが来てしまう。
もう何年か前のこと、
それは突然やってきた。
音もなく、
悲しむ余裕も、怒る余裕も、
心には残っていなかった。
いつそんな風になるかなんて、誰もわからない。
いつ、突然の別れを迎えるかなんて、誰もわからない。
だから僕は恨んでしまう。
3月11日
1月1日
2回に渡り僕から全てを奪っていった、
あの自然現象を。
あの、大きな地震を。