『また明日』
あの子とは、これが、最後の会話だった
──また明日ね、ばいばい
そうやって笑う彼女を見送ってから、
その「明日」はもう来なかった。
いつまでも、次の日が来ると思ってしまう。
いつまでも、明日があると、思いたい。
手を振ったのが最後、
気付いたら、私を見送ってくれた彼女には、もう会えなかった。
そうか、私、死んだんだった。
明日がある彼女を、
果てしない空の上から見下ろす。
それはどこか悲しげで、どこか儚くて。
明日がある、なんて思った私。
私に明日がない、なんて思えなかった彼女。
これがきっと、最後の言葉。
「また明日」
5/22/2024, 5:17:09 PM