No.22:輝き
誰もを惹き付ける明るい貴方が嫌いだ
誰かのヒーローになってしまう貴方が嫌いだ
だから本当は、誰の目にも届かない場所に閉じ込めて
僕だけの貴方であって欲しい
でも
太陽の様な貴方が好きだ
暖かな笑顔の貴方が好きだ
人の事を楽しそうに話す貴方が好きだ
...もし閉じ込めてしまったら、きっとそんな貴方は消えてしまう
だから、貴方は何時までも太陽のままでいて
普段は手の届かない、憧れの貴方でいて
...けれど、闇が空を満たす時だけ、その役目を休んで、
その一時だけ、僕だけの貴方でいて...
No.21:時間よ止まれ
去ってゆく貴方
笑わなくなってしまった貴方
あの笑顔も、明るい声も聞けなくて
残ったのは、貴方と撮った写真だけ
貴方との一瞬を象った、写真だけ
貴方は写真の向こうでも暖かいのに
僕の方が冷えているみたいだ
...嗚呼
戻りたいよ
貴方との日々に
そうしたら...
他には何もいらない
そのまま進めなくなってもいいから
No.20:君の声がする
「初めまして」と、君が言う
緊張からか...少し固くなって、顔を少し赤らめて
「初めまして」と、僕が返す
不自然に見えない様に、自然な笑みを浮かべながら
初めましてじゃないのに
君は、僕の事を覚えていない
存在ごと、何もかも
でも、諦めたくない
もう一度、昔聞いた暖かなあの声で
僕を救ってくれた、君の声が聞きたくて
No.19:ありがとう
沢山沢山伝えたい
君に救われたんだよって
君が居たから今の僕があるんだよって
沢山沢山、伝えたい
...なのに、その一言すら言えなくて
それが少し苦しくて
...嗚呼、でも、やっと言える
赤い薔薇を差し出して、一生懸命話してくれた君に
誰よりも伝えたかった君に
「...ありがとう、__君、
これからよろしくね」
No.18:そっと伝えたい
疲れてしまったのだろうか
何時もは隙など見せない彼が、本を膝にソファーで眠っていた
そっと近ずき顔を寄せてみる。
すると、(随分と気持ちよさそうに寝ているものだな)と、何故だか頬が緩んでしまった
「...可愛い」
穏やかな寝顔へ、つい零れてしまった言葉
自分で言った癖に恥ずかしくなってしまって、熱くなる顔を振り払う様に足早に部屋を後にした
「...っはぁぁぁ〜...」
学生時代にちょくちょくやっていた筈なのに、狸寝入りとはこんなに難しいものだっただろうか
「…可愛いのはどっちだよ...」
一人になった部屋で、うわ言のように呟いた