No.18:そっと伝えたい
疲れてしまったのだろうか
何時もは隙など見せない彼が、本を膝にソファーで眠っていた
そっと近ずき顔を寄せてみる。
すると、(随分と気持ちよさそうに寝ているものだな)と、何故だか頬が緩んでしまった
「...可愛い」
穏やかな寝顔へ、つい零れてしまった言葉
自分で言った癖に恥ずかしくなってしまって、熱くなる顔を振り払う様に足早に部屋を後にした
「...っはぁぁぁ〜...」
学生時代にちょくちょくやっていた筈なのに、狸寝入りとはこんなに難しいものだっただろうか
「…可愛いのはどっちだよ...」
一人になった部屋で、うわ言のように呟いた
2/13/2025, 11:58:07 AM