青羅紗

Open App
2/21/2025, 8:05:14 AM

夜の動物園で、君と手を繋いだ。
私が「寒いね」と言ったから。
いつも通りに手を繋いだ。
高校で出会ってから五年半。
同性だから何も気にせず話してくれる君は
私の親友で、好きな人だった。
あたたかいココアを二人で飲みながら寄り添い合う。
これからはきっと、君は就活で忙しくなって
君には好きな人が出来て私と遊ばなくなって。
けど、この寒い夜を一緒に過ごせるなら
私は何だって構わない。
好きだとは言えないけれど
傍に居させてくれるのなら。

2/15/2025, 6:14:31 PM

君の声がする
けれど、君が目の前にいる訳では無い。
スマホの割れた画面から、君の声がする。
もう二度と会えない、君の声がする。
心の内側が冷たくなるような心地がした。
楽しそうに笑って海辺をはしゃいで走る、君の声がする。
あの時僕は、君が僕の知らないどこかへ行ってしまうような気がして、早くこちらへおいでと言ったのだった。
それが、真になってしまった。
なぜあの時、僕は君と一緒に行かなかったのだろう。
そうすれば、きっと今頃二人で幸せだったのに。
二人でなら地獄でもやって行けると君は言ったけれど
きっと地獄に落ちるのは僕だけで
君は天国にゆける。
だって君はあまりにも美しく優しい人だったから。
どうか、僕のことなんか忘れてくれ

1/15/2025, 4:39:27 AM

そっと手を繋いで
そっとキスをする。
そんな毎日が、ほんの少しずつ未来を繋いでゆく。
明日はきっと多分、もっと良い日。

1/7/2025, 2:59:13 PM

「なんでも良いから一つ、自分のものだって言えるくらい頑張ってみな」
そう言った貴方は、柔らかく微笑んでいた。
私は、交差点の真ん中に独りぽちんと取り残されたような気持ちだった。
でも、違った。
人生というものは、そこから始まるのだ。
貴方に胸を張って言えるくらい、何かを頑張ろうと思えた。
何度目かの春の風が吹く。

1/4/2025, 4:55:26 PM

幸せとは

私にとっての幸い(さいわい)とは
美味しいご飯を食べ
ゆっくり寝て
たまに運動して
推しを応援する事だと、最近まで思っていた。

ほんとうは、貴女の幸せが私の幸せなのである。
貴女が美味しいご飯を食べて
楽しく過ごせていれば、それでいいのである。
その隣に私が居られるのなら
私はもっと沢山の幸せを手にすることだろう。
けれど、貴方の隣は私では無い、他の誰かだ。
私は、私のただのエゴを、己の幸せなのだと偽るのだ。
そうしなければ、幸せだと思えないから。

貴女は私との関係に“親友”という名前をつけて飾っているけれど、その関係はホコリを被り始めている。
それでも私は良いのだ。


だから、私は今幸せなのだ。
そうでなければならない。

Next