冬至。

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12/9/2025, 9:46:15 AM

うっすらと目をあけ、開け放たれた外を見る。
真っ白ですごく静かだ。
見渡す限りの白。
「何もないようだな」
終わりに近づく恐怖も不安も。
ただただ静かで白い世界。
もう何年も前にこの六畳ほどの世界になってしまった己れの世界。何もない。
晴れた空の光りに反射してきらきら光るその先を眺めながら、
「本当に綺麗だな」
この眼前に広がる景色のようにただ静かにひっそりと溶けて消えたいと。
自嘲気味にひとりごちる。

今日はちょっと冷える。
また。少し休もう。


                 (雪原の先へ)

12/8/2025, 9:59:49 AM

                びーえる注意報!




ゆらゆらと細く立ち昇る白い煙。
傍らに立つ男のきれいな指先の煙草から昇る。
それを欲しがると口許に持って来て吸わせてくれる。
彼と同じ匂いのするそれ。
肺に入れて吐き出すと白く空気が濁る。
自分たちの周りに同じ匂い。
俺に与えるとまた彼はそれを咥えて同じように白く空気を濁らせる。
俺たちだけの膜のようだ。
幾重にも幾重にも膜を張る。
目が合うとまた口許に持って来てくれる。

煙草は彼に教えてもらった。
ひっそりと俺らは煙草でキスを交わす。
今日も俺らは白く空気を濁らせるのだ。



                  (白い吐息)

12/7/2025, 9:58:37 AM

今日も見上げる自分の部屋。
明るく灯りがついている。
そこで今日も出迎えてくれる顔を思い出して思わず笑顔になる。
今日もアイツは会いに来た。
思いがけず足取りも早くなる。
早く会いたい会いたい癒されたい。
もどかしくなってスマホを取り出す。

「なに今日も来てんだよ」

本当は嬉しい。急いで帰るね。
1秒でも早く会いたい。



                (消えない灯り)

12/6/2025, 9:13:29 AM

「わぁ。ちょっと見てよすっごい綺麗だよ」
「はいはい見た見た」
ライブ終わりに戻ったホテル。
眼下に広がる煌びやかな夜景に負けじと、目をキラキラさせて振り向く彼を適当にあしらってスマホをチェックする。
「なんかあんた、たまにおれを彼女みたいに扱うよね」
「なんでだよ」
少し間が空いて返ってきた唐突すぎるその台詞に思わず笑う。
「頼みすぎた食べもの食べてくれるし最終的にお願い聞いてくれるし蔑ろにするけど相手してくれるしまっすぐ目を見て話してくるし」
「最後の1行なんなん?」
突拍子のないこと言い出すのは今に始まった事ではない。
笑って返すと真面目に見つめられた。
「なんで?」
「夜景が綺麗とかそういう話やなかった?」
「いいから!」
はぐらかすと少し強めに言い返された。
「お前の時々重ための彼女みたいになるのなんなん?」
頬をちょっと膨らませて無言で見上げて来る。
そっとため息をついた。
まっすぐに、それでも柔らかく目が合う。
「そりゃあね、もう無くしたくないからね。メンバーを大事にしたいんですよー」
これも本音。
くしゃりと柔らかい髪を撫でる。
たくさん居たのにもう2人きりになってしまった俺らのグループ。
「もういいから外のきれいな夜景でも見てなー」
無理やり窓の外のきらきら光る夜景に向き直させる。
「あーそーかそーかーなるほどね」
目の前の、素直に夜景を眺める耳がほんのり赤い。
もう無くしたくない。
お前とふたり。
こんなきらきらした道だけを笑って歩んでいきたい。
窓の外はまぶしいくらいの無数の光が広がっていた。




              👑(きらめく街並み)

12/5/2025, 5:04:18 AM

「よしっこれでよし」
スマホのストップボタンを押す。
SNSにあげる動画の撮影を終えて確認、投稿。
2人の記念日に、ラブソングに意味ありげな振り付け。
アイツには伝わるはず。
でもちょっと抜けたとこがあるからなー。
スマホを取り上げ、メールを送信。

「動画見てくれたー?」

これは俺から秘密のメッセージ。
アイツに届け。


                 (秘密の手紙)

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