辺りが暗くなりはじめた夕方から
お気に入りの浴衣と帯を身につけ、お祭りに繰り出す。
慣れない下駄は靴づれを起こすから、
大人しくサンダルを選んだ。
会場が近づくにつれ大きくなるお囃子と、
暑さだけでない、人の熱気が体温を上げていく。
先まで並ぶ屋台に目移りしながらも、人波にのまれないよう見慣れた背中を追いかける。
クラスメイトに出くわして、挨拶を交わすのも醍醐味の一つ。
提灯の山車を見ながら、改めて“夏”が来たことを確認する。
あの独特の高揚感は、特別なもの。
観光地ではない、田舎の祭りの雰囲気が好き。
117:お祭り
神様が舞い降りてきて、こう言った
「本来姿をみせるのはご法度ですが、特別にこうして参りました。私は常にあなた達を見守っています。どんなときも、どんな人でも、例外なく、です。地球上で起こりうるすべての出来事を見続けています。
ひとつだけ、重要なことを伝えます。あなた達からの呼び掛けはちゃんと聞こえます。私に呼び掛けてもらえると、あなたという存在にスポットがあたり、仄かに照らしはじめます。呼び掛けてもらえればもらえるほど、その明かりが少しずつ強くなるのです。
私からあなたを見つけやすくなりますから、お役に立てる場面が増えるかも知れません。その事を今日はお話にきました。どうか覚えていてください」
116:神様が舞い降りてきて、こう言った
“次に使う人”のことを考える
「ためになる」とはちょっと違うかもだけど、
見えない誰かにも気持ちよく使ってもらいたいし、
巡りめぐって、私もそうしたいから。
日々のちょっとした心がけ。
115:誰かのためになるならば
鳥かごのなかの鳥を可哀想だと思ってた
空の広さも知らず、悠々と飛び回ることができないから。
でも、外敵の危険や、餌の確保の心配はない
鳥かごで育てられたら、野生では生きていけないかも。
未知の世界へ淡い憧れをもちながら
慣れたテリトリーで、少しだけ退屈に時を過ごす。
そんな日常もきっと悪くないはず。
114:鳥かご
「友だち」って、
どちらかが一方的に相手をそう呼ぶこともできるし、
どこか自分主体な気がする。
対して、「友 情」は
互いに相手を思いやる心があってはじめて成立するような、相手がいてこそという感じがする。
そう考えると、
愛情というくくりの中に、友情も入るのかな?
これまでの人生、
一体どれだけ心を通わせることができたんだろう。
これって、数の大小で優劣が決まるわけでも、
究極、心を通わせる相手は人だけに限ったことでもないような。
相手も自分と同じ気持ちかな~って自然に想像できる関係が、“友情” だと自分なりには定義してみました。
113:友情