寂しいって感情がなかっら、きっと寂しいだろうな。
題:寂しさ
この時期になると、冬は毎日やってくる。
冬になると、一層きみに会いたくなった。
冬になると、一層きみと手を繋ぎたかった。
冬は一層、きみと一緒にいたかった。
冬になると、きみは不服そうな顔でマフラーを鼻まで引き上げた。それがどこか悲しそうで、悲しくて。
一人で先を歩いて、振り返ったとき、きみはいなくなっていた。
きっと冬に攫われてしまったんだ。
明日、冬がやってくるまで、きみには会えない。すごくすごく、寂しかった。
題:冬は一緒に
とりとめもない言葉たちが溢れてきて、言いたいことがまとまらない──。
そういう話。
題:とりとめもない話
例えば僕が風邪をひいたとして──馬鹿は風邪をひかない、とは言わないで──、君は何をしてくれるだろう。
まだ高校生で、さらに受験生の君は、特段何もできないんじゃあないだろうか。
お見舞いのメールを送るくらい?だったらきっと、メールの最後には素っ気なく、返信不要、なんて書いているのだろう。
仮に君が風邪をひいたとすると──生活リズム整いすぎて大丈夫、とは言わないで──、僕に何ができるだろうか。
ある程度自由のきく身とはいえ、君に対して何をすればいいか分からない。
看病なんかはご家族がするはずだし、家に行った所で体調不良の君を満たすことなどできない。
せいぜい、短めのメールを送るくらいだろう。君の好きそうな絵文字を添えて。
題:風邪
彼らの素直さが欲しかった。どこまて入っても美しい、彼らの心が羨ましかった。
彼らは綺麗な声をしていた。彼らはいつも笑顔で明るくて。だからわたしもそれを真似た。
わたしはイルミネーションだ。表面に光を集め、その痛いほどの眩しさで周りを拒絶する。
目が丈夫だとか我慢強いだとかで、わたしに近づく人もいる。その人たちには、少し申し訳ない。きっと皆が思っているわたしではないから。
光が弱まったら。周りが明るくなりすぎたら。わたしはただの針金になる。
───イルミネーションは、彼らになりたかった。
題:イルミネーション