いちごミルクパン

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 彼らの素直さが欲しかった。どこまて入っても美しい、彼らの心が羨ましかった。
 彼らは綺麗な声をしていた。彼らはいつも笑顔で明るくて。だからわたしもそれを真似た。

 わたしはイルミネーションだ。表面に光を集め、その痛いほどの眩しさで周りを拒絶する。
 目が丈夫だとか我慢強いだとかで、わたしに近づく人もいる。その人たちには、少し申し訳ない。きっと皆が思っているわたしではないから。
 光が弱まったら。周りが明るくなりすぎたら。わたしはただの針金になる。

───イルミネーションは、彼らになりたかった。



           題:イルミネーション

12/14/2024, 11:32:44 AM