眠れないほど好きな人が居る。
眠れないほど好きな人が要る。
題:眠れないほど
俺は幼い頃から、何度も同じ夢を見る。
頻度はそんなに高くない。一度見た一ヶ月後にまた見て、その次は半年か一年くらい経っている、なんてこともある。
繰り返す夢は何種類かあって、1番よく見るのは、店の景。銀色の棚に、音楽のCDと、目玉クリップが並んでいるのだ。全く関連性のない二種類の商品が、違和感なく一つの棚に収まっている。妙なものだ。
俺はその棚の前に立っていて、隣には誰かツレがいる。その人の顔は、毎回覚えていない。現実なら、仲の良い先輩が微笑んでいるのだが。
題:夢と現実
彼はさよならを言わないで、遠くへ行った。
君はさよならを言いながら、そばにいる。
それらが嬉しくて、辛くて、柔らかかった。
題:さよならは言わないで
彼は、陽だまりの人である。
たくさんの人たちが、彼のそばへ日向ぼっこしに来る。暖房やヒーターより、はるかに暖かいらしい。特に冬の寒い日には、先を競うように人々が彼を囲み、暖をとろうとする。ただ、世界中の人全てを抱えられる程の守備範囲はないらしい。彼を囲う人を囲う、凍える人々もいる。
一方暑い夏だと、彼の周りは閑散となる。むしろ、常にぽかぽかな彼は嫌煙されているのだろう。
また、季節問わず、暗い夜には一定の需要があるみたいだ。彼は光でもあるから、人々の物価高の時代、電気代を節約できるのだろう。
かく言う僕は、彼の である。彼の光がぎりぎり届くところで、闇と一緒に彼を見守っている。僕の方から彼に近づかなくとも、彼はいつか、僕に光をくれるのだ。
題:光と闇の狭間で
「泣かないで。」
わたしは世界に言った。
「泣かないで。」
彼女はわたしに言った。
泣いていいのだと、世界は思っている。
題:泣かないで