彼は、陽だまりの人である。
たくさんの人たちが、彼のそばへ日向ぼっこしに来る。暖房やヒーターより、はるかに暖かいらしい。特に冬の寒い日には、先を競うように人々が彼を囲み、暖をとろうとする。ただ、世界中の人全てを抱えられる程の守備範囲はないらしい。彼を囲う人を囲う、凍える人々もいる。
一方暑い夏だと、彼の周りは閑散となる。むしろ、常にぽかぽかな彼は嫌煙されているのだろう。
また、季節問わず、暗い夜には一定の需要があるみたいだ。彼は光でもあるから、人々の物価高の時代、電気代を節約できるのだろう。
かく言う僕は、彼の である。彼の光がぎりぎり届くところで、闇と一緒に彼を見守っている。僕の方から彼に近づかなくとも、彼はいつか、僕に光をくれるのだ。
題:光と闇の狭間で
12/2/2024, 11:13:24 AM