シャイロック

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5/25/2025, 9:55:58 AM



 誰にでも好きな歌があるでしょう。
 でも私には、好きではないのに忘れられない歌があります。今でも時々流れるその曲を聴くと、胸に甘酸っぱい哀しみが溢れます。
 小さな淡い恋だったから、なおさらです。今となっては、叶わぬ恋で良かったのかなと思いますが。
 聴くと、別れ際のことが蘇ってしまう、つらい歌です。

No.207

5/24/2025, 2:36:15 AM

そっと包みこんで

 生まれたばかりの娘を、助産婦さんに胸に乗せてもらって、あまりにもいたいけな小さな生き物に感動の涙を流した。
 なによりも大切で、誰よりも守らなければいけない存在。そして、そういう存在がある幸せ。
 あなたに何がつらいことがあったら、心をそっと包みこんで、いつまでもいつまでも肩を抱いていたいと思う。
 そんなことを思った娘は成長し、今では病気の私をいたわり、そっと包みこんでくれている。

No.206

5/23/2025, 3:37:02 AM

昨日と違う私

 愚痴ばかり言っていても、つまらないだけだ。前向きに前向きに。
 昨日と違う私になる!
 元気倍増、笑顔倍増、好奇心倍増!
 もともとみんな持ってるから、倍増する。

No.205

5/22/2025, 3:13:09 AM

sunrise

 「おい、日の出だぞ。見ないか?」
 旅先のホテルで夫に起こされた。見ると、水平線に一筋の光が見えていた。
 海が見える部屋なのは知っていたが、日の出までは思い及ばなかった。得をした気分で、2人で眺めた。太陽はあっという間に昇りきった。10分前後のsunrise showだった。
 「起こしてくれてありがとう」
「いや、一人で見るのはもったいないと思って」
 夫はテレたように笑う。
「来て良かった」「うん」
 定年退職した夫に旅行に誘われた時は、実は少し驚いた。それまでは仕事一筋で、家庭を顧みないし、私を労うことも無い人だったから。
 私は仕事をしているし、夫は就活に励んでいる。それでも、この先そんなに長くは働けないだろう。
 その後の人生は、家でこの人と鼻を突き合わせて暮らすのだ。少し前まではイヤだなと思っていたが、今のこの人なら良いかなと思い直した。

No.204

5/21/2025, 7:09:29 AM

空に溶ける

 「シャボン玉」という童謡があります。「シャボン玉とんだ屋根までとんだ」という、昭和世代なら、誰もが一度は歌ったことがある、子どもらしい可愛い曲です。
 作詞は野口雨情さんという有名な詩人です。
 ご存知の方も多いでしょうが、この詩は、8カ月で亡くなった、長女の死を悼んで作られた
ようです。何年か過ぎてからですので、雨情さんの中で、こなれてきたのでしょうか。
 屋根まで飛んだシャボン玉は普通にこわれて消えましたが、次のシャボン玉は、生まれてすぐに飛ばずに消えました。だから風、風吹くなシャボン玉飛ばそと言っています。そう思って歌うと、切なくなります。
 シャボン玉、みんな壊れずに、空に溶けるまで飛んでいけばいいのにね。

No.203

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