シャイロック

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空に溶ける

 「シャボン玉」という童謡があります。「シャボン玉とんだ屋根までとんだ」という、昭和世代なら、誰もが一度は歌ったことがある、子どもらしい可愛い曲です。
 作詞は野口雨情さんという有名な詩人です。
 ご存知の方も多いでしょうが、この詩は、8カ月で亡くなった、長女の死を悼んで作られた
ようです。何年か過ぎてからですので、雨情さんの中で、こなれてきたのでしょうか。
 屋根まで飛んだシャボン玉は普通にこわれて消えましたが、次のシャボン玉は、生まれてすぐに飛ばずに消えました。だから風、風吹くなシャボン玉飛ばそと言っています。そう思って歌うと、切なくなります。
 シャボン玉、みんな壊れずに、空に溶けるまで飛んでいけばいいのにね。

No.203

5/21/2025, 7:09:29 AM