雲り
曇り空は、なんだか気持ちまでどんよりする。その中でも、花曇りは素敵だけど肌寒い感じ。特に、黄砂で世の中が曇っているのは良くない。黒い門扉に白っぽいモノがびっしり乗っている時がある。ここにこんなに積もるほど、空中に漂っているんだ!と思うと、良い気はしない。
曇りもたまには良いこともある。日焼け止めを塗り忘れてすっぴんで出かけたときとかね。曇りでも紫外線は届くそうだけど、晴れよりはマシよ!
因みに、気象庁によると「雲の量が1割以下(0~1割)の状態を「快晴」、2割から8割の状態を「晴れ」、9割以上の状態を「曇り」といいます」とのこと。
お空の8割雲があっても晴れなんですね。
No.146
bye bye
お母さんは重い病気になって、キトク、っていうの?そう言われて、みんなが集まった病室で、最期、「bye bye」と言って天に昇って行った。にっこり笑ってた。
あれは何だったの?「あなたたち、今までありがとう」とか「私が死んでも、元気で生きるのよ」とか、普通言い残すと思ってた。
だから私たちは「お母さん!」って涙ながらに絶叫する用意してたのに、中学生の私と、高校に入ったばかりのお兄ちゃんは、密かにズッコケた。
あっけなかった。お医者さんが「6時37分でした」ってドラマみたいに言っても信じられなくて、「お父さん、本当なの?本当にお母さん死んじゃったの?」って聞いちゃった。
お父さんが重く頷いて、それで本当だったんだ、と実感した。
でもさぁ「bye bye」ってさぁ、そんなのある?可笑しくて涙出ちゃった。
No.145
君と見た景色
もしもニ十年後
まだ君と一緒に居たら
今、君と見た景色を思い出して懐かしもう
もしも二十年後
君と別れてしまっていたら
今、君と見た景色を思い出して涙しよう
もしも二十年後
別な人と幸せだったら
今、君と見た景色のことは黙って
新しい思い出を重ねよう
いずれにしても
今、君と見た景色は
僕の大切な思い出だよ
No.144
手を繋いで
どこまでも手を繋いで生きていくと思っていた。結婚した時は、どこに行くにも妻と手を繋いで、いろいろ話しをしながら歩いていた。
ところが、子どもが生まれたら妻はベビーカーを押し、その子が大きくなったら子どもを真ん中に手を繋ぎ、だんだん夫婦が直接手を繋ぐことは減ってきた。
さて、それから何十年、年を取った妻も私も足腰が弱くなってきた。
今こそ手を繋いで、支え合って歩く時だと思っている。
No.143
どこ?
待ち合わせの場所に行ったのに、ゆうちゃんは居ない。「ゆうちゃん、どこ?」とLINEしたけど、なかなか既読が付かない。
結局、メールや電話もしてみたけど、全然出ないし、帰ってきた。
帰宅すると母が、「あら、サエ、デートって言ってたのに、もう帰ってきたの?サエの中2にして初デートを祝って、今からお赤飯炊こうと思ってたのよ」
「要らない。フラれたみたい」「え?どうして?初デートもせずに?」「知らないってば!放っておいて!」思わずママに八つ当たりしちゃった。
ところがね、ゆうちゃんは家にも帰っていなくて、あの次の日に、おうちの人から捜索願いが出されたんだって。クラスメイトに警察がいろいろ聞いて回ったみたい。友だちの何人かは私とデートだって知ってたから、私は長い時間いろいろ聞かれた。ホントは会って、なんかあったんじゃないか?って疑ってるみたいだ。メールやLINEを見せたり、何回も同じ説明をして、やっと解放された時には、5時間も経ってた。疲れた。
それにしても、ゆうちゃんどうしたんだろう?ゆうちゃんが見つかれば、私の疑いはもちろん晴れるし、私はすっぽかされた理由を聞きたい。だって、好きだからデートしようと思ったんだもん。心配じゃん。
あ〜、ゆうちゃん、どこ?
No.142