急に距離を近付けないで。
ビックリするし、ドキドキする…。
好きなはずなのに。好きな、はずなのに。
恥ずかしくて、なんだか怖く思えてきて、
距離をとる。
そしたら猿笑いのような微笑みで指を絡めてきて、
もう私は駄目になった。
彼の事をいきなり嫌いになった。
そうやって触れられたのが下心があるような気がして、
また心も距離をとって、
離れた。
おい!!と呼ばれたような、
でもごめんなさい。もう私、あなたとはいられない。
辛いの。辛いの。ごめんなさい。
「また逃げるのか?」
そう自分の中で言われた気がしたけど、
でも違うの、違うの。
逃げるんじゃなくて、帰るだけなの。
そうやって言い訳しながらビルの明かりで照らされた、
妙に明るい闇を走り出す。
ゼーゼーと呼吸しながら走る。止まらないで。
走る。走る。辛さと息苦しさで胸が張り裂けそうな
そんな感情で。
これが映画のワンシーンだったらどれだけ美化してもらえたのだろう。
わぁっと転けた。盛大に。
またそう思う。私の人生も、全部綺麗になったらな。
冬のはじまりは
寒いような暖かいような、
風が私に吹いた。
はぁ。白い息はまだ出なかった。
いつから、もっと寒くなるだろうなぁ。
そう考えながら、かじかんだ手を擦り合わせた。
終わらせないで
今この時。
今この瞬間。
恋が止まってしまう。
高鳴る足と心臓が
うるさくて。
私、私。
脳みそがグツグツ煮られてるかのような、
血が沸騰した感覚。
あ、あ。これはダメな恋。
でも好きは止まらない。
罪だと分かっても、
この甘さに酔いしれたくなって。
なんて香りを放っているの。
くらくらしちゃう。
愛情って、本当にあるのかな。
愛を語っておきながら、私は愛情の定義が分からない。
愛があるならなぜ人は別れるの?
愛は無くなるの?愛してるは嘘なの?
今だけ?
愛ほど不明瞭で不確定な物はない。
便利な言葉だと思う。
きっと私も恋が出来たら分かるのかな。
あなたは愛はなにか分かりますか?
本当に愛を理解していますか?
愛を理由に人を傷付けてはいませんか?
微熱で頭が浮いた。
そんな状態で生活が出来なくて。
辛いなら休めればいいのになぁ。
熱があるはずなのに
ないような気がして。
嫌いなら私と踊ればいいのに。
くるくる宇宙を回して。