君と登ったジャングルジム。
思い出の場所。
10年後にまたここで、同じ日に会おうね、
なんてベタな約束。
忘れたわけじゃない、
その公園、もう全部撤去されてた。
もうビルになってた。
変わってしまった街並み。
公園の近くの物も全部なくなってて、
なんだか、もう戻らない気がして。
虚しくて…。
とりあえず、ビルの中にあった、
飲食店に入ってみた。
ジャングルジムって、名前。
なんかの運命の巡り合わせみたいな…。
とりあえず入ってみた。
なんだか見覚えのある…。まあ、気のせいか。
かわいい女の子が接客してくれた。
「あ、いらっしゃいま、せ…。
__ちゃん…?」
私の名前、記憶が蘇る。
あぁ…--ちゃんだ。
まさか、会えるなんて。
「約束、覚えててくれたんだ…。とりあえず、話、したいな。今お客さんいないし…。」
話を色々とした。
今は、恋人がいるかいないか、とか、
仕事の話とか。
沢山話した。
「あ…そうだ、お店の名前、なんでこれにしたの…?」
「もちろん。決まってるよ。__ちゃんに分かるように、そうしたんだよ。」
あぁ、変わってないな。--ちゃんは。
私が、大好きな初恋の、--ちゃんのままだ。
声が聞こえる。
ココ最近毎日毎日、執拗いったらありゃしない。
いつもいつも耳元で「殺してやる」とか、「呪ってやる」とかさ。
もう聞き飽きた。レパートリーを増やせ。
そんだけで恨まれるとか、ウケるな。
ただ俺に邪魔だったから、消しただけなのに。
もう幽霊だから出来ないだろ笑、
そう思いながら俺は神社に足を運んだ。
秋恋。それは秋と共にやってきた、
忌々しくて、いじらしい恋。
大事にしたい、してみたい、とか。
そんな願望をたまに抱く。
例えばすごく大きな事件を起こしたり、
例えば好きなあの子を誘拐してみたり、
なんて。
僕は臆病だから結局なんも行動できないけど。
なにするにしてもいつも足がすくんじゃう。
だから結局ぼーっとしながら好きなあの子を見て
時間が過ぎてく。
ぐるぐると時計が回って、
テキパキとあの子が動く、
僕だけ時間が止まってるみたいだなっていつも思う。
でも、したいって思ってる時には、
妄想の範囲内でしか生きない思想なんだと思った。
約束。
ここのピンクの桜が咲いたらまた一緒に遊んでくれる?
なんて、
貴女の余命は半年なのに。
もう治らないのに。
今は夏のちょうど折り返し。
鬱陶しい程ベタつく汗と
蝉時雨が五月蝿くて。
彼女の身体の病だけ
時間が止まればいいのに。
時間というのは無情なもので、
大きくなってく愛と共に進んでく。
同じ病院に通ってたのに、
僕の方が先に病気が治ってしまった。
彼女の代わりになれたらな。
なんて我儘かな、神様。
ちょっとは、僕の願いも聞いてよ。
いつまでも隣に居たかったのに。