『それでいい』
「お前そんなんじゃ、いつまで経ってもろくな大人になれないぞ?w」
お父さんに小さい頃からよく言われてきた。
僕そんなに何か悪い事したっけ?
何が…いけなかったの?
じゃあどうしたらろくな大人になれるの?
自分に質問責めしてみるも、答えが見つからない。
変われば…良いの?
『でも、何を?』
頭を抱えて悩んでいる時。
「お父さんの言葉は無視しなさい、貴方は貴方のままで良いの…自分のやりたいようにやりなさい」
お母さんが、いつも僕の隣で優しく頭を撫でて"それでいいんだよ"と言い聞かせてくれた。
『え?本当に?変わらなくて良いの?』
「……うん、貴方はそれでいいのよ」
そのお母さんの言葉を信じて今まで頑張ってこれた。
本当にお母さんには感謝しかない。
それでいい…皆それでいいんだ。
無理して性格を変えようとか見た目を変えようとかそんな事する必要はない。
自分を信じて自分のやりたいようにやれば良いんだよ。
『エイプリルフール』
「よぉ〇〇!」
『・・・』
「え、無視かよ!酷いなー〇〇」
こいつが、こうやって馴れ馴れしく話し掛けてくる時大抵変な事考えてやがるから無視を決めている。
今日は何かあったかとカレンダーの日付に目をやる。
なるほど、そういう事か。
「〇〇くんよー、今日は何の日か知ってるか?」
いつものウザイと感じるニヤニヤとした顔をして俺に聞いてくる。なんかムカつく。
『はぁ…エイプリルフールだろ?』
「そうそう!だーかーらー、今日は沢山"嫌い"って言って良いんだぜ?」
と調子の良い顔で言ってきた。
いつもこいつに、してやられてばっかりで腹が立つ。
『おい、こっち向け』
「んー?嫌いって言ってくれるn!?」
『それは死んでも言ってやらないが、こういう事はしてやっても構わん』
「っっ…////それズルいぞ〇〇!」
そして2人は顔を見合わせて笑った。
『幸せに』
いつからだっけ、君にこの感情を抱き始めたのは。
出会った当初は僕には愛している女性がいた。
彼女が連れ去られたと聞いた時は本当に焦ったものだ。
だから救うために、君が必要となった。
本当は君のような人に手助けして欲しくなかったけど君に頼るしかなかった。
彼女の行方を追う間、色んな事を知ったよ。
君は…他の奴とはどこか違うっていう事と、君は以外に優しいところがあるっていう事にね。
気づいたら君に魅了されてたよ。
何もかもが新鮮で、君といると新しい事ばかりに巡り会うもんだから…ちょっと楽しいなという気持ちまで芽生えてきてた。
彼女を救った後、僕は「 」と君に冗談っぽく言ってみた。
そしたら君に「何馬鹿な事言ってやがる、冗談はよせ」
って言われちゃったな。
最後は「……お嬢さんと幸せにな」
と言って、去って行った。
「 」は僕の本当の気持ちだったんだけどな…。
「伝えられただけ良いか」
「…何を?」
不思議そうに見つめてくる彼女の手をとり「なんでもないよ」と言ってから僕は彼女にキスをしたのだった。
『何気ないふり』
鬱陶しく感じるくらいにニタニタ笑ってて 、困難な壁にあたっても、余裕な表情見せていつも笑ってる君。
でも僕は知ってる。
君が"何気ないふり"をしているって事に。
時折泣いている姿を…見かけた事がある。
なぜ弱音を吐かないのだろう、なぜ表情に出さないのだろう、なぜそんなに隠したがるんだろう。
「…全て吐き出してしまえば良いのに」
『ハッピーエンド』
漫画やアニメ、童話のように上手くいく世界なんてこの世に存在しないと私は思っている。
誰かにとってのハッピーエンドが誰かにとってのバッドエンドに繋がるのだから、必ずしも皆がハッピーエンドになるとは言えないのだ。