『幸せに』
いつからだっけ、君にこの感情を抱き始めたのは。
出会った当初は僕には愛している女性がいた。
彼女が連れ去られたと聞いた時は本当に焦ったものだ。
だから救うために、君が必要となった。
本当は君のような人に手助けして欲しくなかったけど君に頼るしかなかった。
彼女の行方を追う間、色んな事を知ったよ。
君は…他の奴とはどこか違うっていう事と、君は以外に優しいところがあるっていう事にね。
気づいたら君に魅了されてたよ。
何もかもが新鮮で、君といると新しい事ばかりに巡り会うもんだから…ちょっと楽しいなという気持ちまで芽生えてきてた。
彼女を救った後、僕は「 」と君に冗談っぽく言ってみた。
そしたら君に「何馬鹿な事言ってやがる、冗談はよせ」
って言われちゃったな。
最後は「……お嬢さんと幸せにな」
と言って、去って行った。
「 」は僕の本当の気持ちだったんだけどな…。
「伝えられただけ良いか」
「…何を?」
不思議そうに見つめてくる彼女の手をとり「なんでもないよ」と言ってから僕は彼女にキスをしたのだった。
3/31/2023, 10:28:31 AM