『遠くの空へ』
海辺に座って上を見上げる。
「あいつ...元気かなぁ」
あの日突然、俺の隣から消えたあの子を今でも想う。
『これからも、ずっと』
「ね、ねぇ」
どこか気恥ずかしそうに聞いてくる彼女にどうしたのかと聞いてみる。
「あのね…まだ私、貴方の傍にいても良いんだよね?」
何を今更、彼女と出会ってもう5年目だと言うのに…まだそんな事聞いてくるんだと僕は彼女に笑いかけてから『当たり前だろ、僕はこれからもずっと一緒にいたいって思ってたんだけど?』と言った。
すると彼女はパァッと顔をさっきよりも明るくして。
「本当に?嬉しい!」
と頬を赤らめて言ってきた。
この顔が僕は好きだ。
これからもずっと、守っていこうと思った。
『沈む夕日』
私の大好きだった彼と、今2人で夕日の見える岸に立っている。
「いやー驚いたよ〇〇ちゃんが俺を好きだったなんて」
『はは、でしょ?』
これは今だから笑って言える事。
あの日私は結局…思いを伝える事が出来なかった。
『あの時伝えてたら…なんて返事くれたの?』
そう言うと彼は苦笑して、
「うーん…YESって言ってたかもね」
と言った。
『え?じゃあ両思いだったって事?』
「そうなるね」
あー…伝えておけば良かったな、って今更後悔しても遅いか。
『ねぇ〇〇君』
「ん?」
私はこのモヤモヤをどうにかしたくて…彼の手をとり。
「うわ!ちょっと〇〇ちゃん!?」
『あの夕日に向かって走ろ!青春ぽくて良いじゃん!』
沈む夕日に向かって2人で走り出した。
『君の目を見つめると』
君の目を見つめると、心臓がドキッと跳ねて…なんだかいつもの自分じゃなくなるんだ。
君の目は一切闇を感じられない本当に奥の奥まで澄み切った綺麗な目で僕は好きだ。
「お前の目って…綺麗だよな」
気付いたら思ってた事が口から出てしまった。
どうしよう気持ち悪がられないかな。
だけど返ってきたのは予想もしていたなかった言葉だった。
『貴方の目も…とっても綺麗で、私好きだなぁ』
『星空の下で』
手を繋ぎ、お互いに向き合って笑ってこれからの未来に希望を抱いていたあの頃に戻りたいな…。
今はもう握る事の出来ないあの手を今でも思い出す。
「君は、星よりも輝いていて美しいね」
そう言ってくれた君。
嬉しかった…凄く。
もう会えないのだと思うと涙が溢れてきた。
あの時見たように綺麗な星空の下で私は泣き崩れた。