NoName

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2/14/2023, 9:55:40 AM

風の便りに風見鶏は
ひと吹かれの恋に落ちる
「待っていてほしい」と想い人へと
誰かが風に託した言葉

決して自分宛ではない
他の誰かに向けられたもの
だけどそよ風の静けさと
突風の強さを持って自分を
撫でた便りを忘れられず
それからずっと帰りを待つ
さみしさが胸に芽生えてしまって


風上に乗り飛び立って
あの風を追いかけたい
風下の中を羽ばたいて
託した人を一目見たい

託された風へのものなのか
託した人へのものなのか
この気持ちの向きはどちら
それからどんな風を指しても
胸の指針は壊れっぱなしで

「待ってて」

2/13/2023, 9:55:15 AM

昨日の君がまだ面白くて
思い出し笑いしちゃった
もっと大きくしたかった
シャボン玉吹いちゃった
思ったより飛んでった
今までで一番高かった

吹くよりも吹き出す方が
いいんだよって教えたい
僕がそれを教わったのは
君なんだよって伝えたい

「伝えたい」

2/12/2023, 9:54:07 AM

あの頃君はこの場所で
UFOを見ようとしてた
双眼鏡で空を覗き込む
君の顔ばかり僕は見てた

大きくなってもこの場所に
集まって二人でUFOを
いつまでも待ち続けるんだと
君と一緒にいられるんだと
小さいながらに思ってた

宇宙人を信じる君を
小馬鹿に思う時もあった
自分だってありもしない
永遠を信じてたくせに

「この場所で」

2/11/2023, 9:57:49 AM

人生損をしてると言い切る
自信はどこからやってくる
好きなことも向いてることも
誰もがみんな異なるもの
流れに乗った先にある人も
それに逸れた先にある人も
どちらも別に自然なもの
ということを誰もがみんな
わかっていたならおかしいなんて
言われることは起こり得ないのに

「誰もがみんな」

2/10/2023, 9:56:33 AM

「古傷」という花言葉の
花は蕾のままで今でも
ガーゼに巻かれて束になり
私の胸に添えられてある

いつの日か隅から隅まで
打ち明けられる人に会えたら
受け入れてくれるだろうか
一本ずつ手渡してみたい
棘まで握り締めてくれたなら
少しずつ咲き開かせたい

「花束」

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