風の便りに風見鶏は
ひと吹かれの恋に落ちる
「待っていてほしい」と想い人へと
誰かが風に託した言葉
決して自分宛ではない
他の誰かに向けられたもの
だけどそよ風の静けさと
突風の強さを持って自分を
撫でた便りを忘れられず
それからずっと帰りを待つ
さみしさが胸に芽生えてしまって
風上に乗り飛び立って
あの風を追いかけたい
風下の中を羽ばたいて
託した人を一目見たい
託された風へのものなのか
託した人へのものなのか
この気持ちの向きはどちら
それからどんな風を指しても
胸の指針は壊れっぱなしで
「待ってて」
2/14/2023, 9:55:40 AM