あまり

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3/2/2023, 12:55:45 PM

小さな頃はシンデレラをよく見てた
お姫様より魔法使いになりたかった
希望なんて
ひとつあれば上等
闇を抱えた人ほど明るく笑う
灰の中に蘇る不屈の輝きで
夢か幻でもいい
泥の中に咲くものがあると信じる
真夜中に虹を掛けるような
魔法を信じてる


『たったひとつの希望』

3/1/2023, 9:42:51 PM

一瞬満たされた気持ちになっても
それは永遠にならないので
幸せを注ぐための器は皆
少しずつ欠けているものなんだろう

『欲望』

2/28/2023, 2:42:51 PM

生まれ育った街
春になるとたんぽぽの綿毛で覆われて
近所の犬や子供達の遊び場だった広い空き地
今は住宅とクリーニング屋で埋まっている
埋められた側溝には昔
雨が降るとあめんぼが飛んできて
不思議なリズムで水面を滑っていた

過去の中にしか存在しない景色は
地球上の何処より遠いと思った
時間が経つほどに
その距離は離れていく
全てのことに変化は訪れて
それは少し寂しいけれど楽しい

始発列車が走り出し
遠ざかる街へさよならと手を振った


『遠くの街へ』

2/27/2023, 11:50:54 AM

(上手くいかない時はふて寝をしよう)

現実からの逃走
全力の逃避行
ウユニ塩湖へ行きたい
ナミブ砂漠へ行きたい
ンゴロンゴロ自然保護区へ行きたい
行き方も言葉もわからないけど

現実からの失踪
夢幻の逃避行
お金とか時間とかゴミとかトイレとか知らない
空の色だけ見ていたい
赤い丘ではしゃぎたい
野生の生き物に会いたい

たとえ地球の裏側とて
そこは日常と地続きだって?
それなら星間旅行だ
普通の宇宙じゃないよ
凪いだ鏡の湖面から
化石の樹木の影から
クレーターの縁に奔る夕日の光りから
想像上の宇宙へ繋がっている
そこで青い目をした仔犬と遊んで
サソリの心臓を拾いに行こう

逃避行もしかしたらそこは桃源郷
太陽もしくはブラックホールが終着点
少し怖いのが冒険の醍醐味
勇気をだして飛び込んで
小さな塵になって…
夢から覚めたら

お水を飲んで
ちょと美味しいもの食べよう

(そしたら もうほら 大丈夫)


『現実逃避』

2/26/2023, 12:01:51 PM

君は今泣いている?
真っ赤なツツジに朝日が灯り
僕はその下に文鳥を埋めた

生きることは悲しい
けれどもそれはきっとすべて
僕らの望んだこと
悲しい記憶はいつも影のように付き添い
友達の顔をして僕らを支えている

君は今泣いてる?
僕らがどう足掻こうと変えようのないこと
理不尽は日常の顔をして僕らの戸を叩く
そんなことばかり拾って
君は今泣いている?
だって世界が許してくれないんだ
笑ってだけ生きていたいのに
そうはならないんだ
子供の顔で駄々をこねる君を見つける

運良く苦痛を手放せたとして
平坦な景色はどうしたって退屈だ
世界中の料理からスパイスを取り上げるイメージ
四角く切り取られた世界に閉じ籠もってみても
のぞき窓から手を伸ばしてしまうように

君は今泣いている?
悲しみで潤う心があるよ
例えるなら光りを宿したツツジの色で
世界は飾られていく
それは悪いことじゃないと思うから
僕は君を叱らないよ
対岸に咲く花はどうしたって美しい
あと何度だって
僕はその岸を渡り続ける

だから
今から僕もそっちへ行くから
夜に浮かぶ灯台ような景色を
漂うように二人で眺めて
それにも飽きたら
一緒に岸を渡ろうよ
僕らの悲しみはすべて
それくらいのこと
そういうことにして


『君は今』

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