あまり

Open App
2/25/2023, 10:23:40 PM

空を見上げて
憂鬱になるのは人のほうだろうに
勝手に物憂げなどと形容されては
空もうんざりするだろう
ため息なんてつかれた日には
予定にない雨の一つも
降らせたくなるはずだ
誰にだって
頭から布団を被って過ごしたい
そんな日がある

わかる わかる その気持ち

もっともらしく頷いてみせれば
雨粒が一つ
額をはたいた


『物憂げな空』

2/25/2023, 3:55:34 AM

赤口の細い月光が
眠りに落ちた家々の窓辺にとまり
安らかな頬を微かに照らす

霜の付いた瓦礫の間にも
人々は眠り
あるいは眠らず
凍るまいと
凍てついた歩を進める
死神の鎌の形をした月が
ひたり とその首筋を照らし
身を隠すように
夜を彷徨う足音は
明かりの灯らない
窓を軋ませている

やがて東の空が白み始めると
月はその面をあげ
冷え切った大気に溶けるように
姿を消していった

ひとまずは
この夜を越えた小さな命たちに
また朝がやってくる


『小さな命』

2/23/2023, 11:22:09 AM

いつもあなたを見ています
Love you!…♡+1

昨日あなたを見つけました
Love you!…♡+1

今日もキレキレですね
Love you!…♡+1

なんとこれは傑作
Love you!…♡+3

気兼ねなく好きなものに
♡を送るのは楽しい
そこに打算を感じたり
恥ずかしくなったりしないですむから

いつもあなたを見ています
Love you!…♡+1

昨日あなたを見つけました
Love you!…♡+1

今日もキレキレですね
Love you!…♡+1

なんとこれは傑作
Love you!…♡+5


『Love you』

2/22/2023, 2:37:22 PM

焼き立てのホットケーキにかけるメープルシロップ
明け方の空に光る銀色の月
輝石のような実を結ぶ前のすぐりの花
日だまりで昼寝をしていた猫の背中の毛の匂い

君が寂しくないように
僕が見つけた小さな太陽の
ありかを教えておく

いつか明けない夜が来ても大丈夫
雲で隠れてしまっても
空がそこにあるように
太陽が沈んでしまっても
目には見えなくなるだけだ

一番大切なことは目には見えないって
心の中に一つ太陽を持てば
5億の星が君のための太陽になるってこと

でも君が見えなくなったら
やっぱり僕は泣くだろうな
君より明るく照らすものなんて
どこにも見つけられやしなかったから


『太陽のような』

2/21/2023, 1:38:41 PM

0と1の間にある不思議
0が1になる不思議
0は歪な円環
0は卵
0が内包する空白にはきっと
不思議がつまっている
気がする


『0からの』

Next