空を見上げて
憂鬱になるのは人のほうだろうに
勝手に物憂げなどと形容されては
空もうんざりするだろう
ため息なんてつかれた日には
予定にない雨の一つも
降らせたくなるはずだ
誰にだって
頭から布団を被って過ごしたい
そんな日がある
わかる わかる その気持ち
もっともらしく頷いてみせれば
雨粒が一つ
額をはたいた
『物憂げな空』
赤口の細い月光が
眠りに落ちた家々の窓辺にとまり
安らかな頬を微かに照らす
霜の付いた瓦礫の間にも
人々は眠り
あるいは眠らず
凍るまいと
凍てついた歩を進める
死神の鎌の形をした月が
ひたり とその首筋を照らし
身を隠すように
夜を彷徨う足音は
明かりの灯らない
窓を軋ませている
やがて東の空が白み始めると
月はその面をあげ
冷え切った大気に溶けるように
姿を消していった
ひとまずは
この夜を越えた小さな命たちに
また朝がやってくる
『小さな命』
いつもあなたを見ています
Love you!…♡+1
昨日あなたを見つけました
Love you!…♡+1
今日もキレキレですね
Love you!…♡+1
なんとこれは傑作
Love you!…♡+3
気兼ねなく好きなものに
♡を送るのは楽しい
そこに打算を感じたり
恥ずかしくなったりしないですむから
いつもあなたを見ています
Love you!…♡+1
昨日あなたを見つけました
Love you!…♡+1
今日もキレキレですね
Love you!…♡+1
なんとこれは傑作
Love you!…♡+5
『Love you』
焼き立てのホットケーキにかけるメープルシロップ
明け方の空に光る銀色の月
輝石のような実を結ぶ前のすぐりの花
日だまりで昼寝をしていた猫の背中の毛の匂い
君が寂しくないように
僕が見つけた小さな太陽の
ありかを教えておく
いつか明けない夜が来ても大丈夫
雲で隠れてしまっても
空がそこにあるように
太陽が沈んでしまっても
目には見えなくなるだけだ
一番大切なことは目には見えないって
心の中に一つ太陽を持てば
5億の星が君のための太陽になるってこと
でも君が見えなくなったら
やっぱり僕は泣くだろうな
君より明るく照らすものなんて
どこにも見つけられやしなかったから
『太陽のような』
0と1の間にある不思議
0が1になる不思議
0は歪な円環
0は卵
0が内包する空白にはきっと
不思議がつまっている
気がする
『0からの』