君は今泣いている?
真っ赤なツツジに朝日が灯り
僕はその下に文鳥を埋めた
生きることは悲しい
けれどもそれはきっとすべて
僕らの望んだこと
悲しい記憶はいつも影のように付き添い
友達の顔をして僕らを支えている
君は今泣いてる?
僕らがどう足掻こうと変えようのないこと
理不尽は日常の顔をして僕らの戸を叩く
そんなことばかり拾って
君は今泣いている?
だって世界が許してくれないんだ
笑ってだけ生きていたいのに
そうはならないんだ
子供の顔で駄々をこねる君を見つける
運良く苦痛を手放せたとして
平坦な景色はどうしたって退屈だ
世界中の料理からスパイスを取り上げるイメージ
四角く切り取られた世界に閉じ籠もってみても
のぞき窓から手を伸ばしてしまうように
君は今泣いている?
悲しみで潤う心があるよ
例えるなら光りを宿したツツジの色で
世界は飾られていく
それは悪いことじゃないと思うから
僕は君を叱らないよ
対岸に咲く花はどうしたって美しい
あと何度だって
僕はその岸を渡り続ける
だから
今から僕もそっちへ行くから
夜に浮かぶ灯台ような景色を
漂うように二人で眺めて
それにも飽きたら
一緒に岸を渡ろうよ
僕らの悲しみはすべて
それくらいのこと
そういうことにして
『君は今』
空を見上げて
憂鬱になるのは人のほうだろうに
勝手に物憂げなどと形容されては
空もうんざりするだろう
ため息なんてつかれた日には
予定にない雨の一つも
降らせたくなるはずだ
誰にだって
頭から布団を被って過ごしたい
そんな日がある
わかる わかる その気持ち
もっともらしく頷いてみせれば
雨粒が一つ
額をはたいた
『物憂げな空』
赤口の細い月光が
眠りに落ちた家々の窓辺にとまり
安らかな頬を微かに照らす
霜の付いた瓦礫の間にも
人々は眠り
あるいは眠らず
凍るまいと
凍てついた歩を進める
死神の鎌の形をした月が
ひたり とその首筋を照らし
身を隠すように
夜を彷徨う足音は
明かりの灯らない
窓を軋ませている
やがて東の空が白み始めると
月はその面をあげ
冷え切った大気に溶けるように
姿を消していった
ひとまずは
この夜を越えた小さな命たちに
また朝がやってくる
『小さな命』
いつもあなたを見ています
Love you!…♡+1
昨日あなたを見つけました
Love you!…♡+1
今日もキレキレですね
Love you!…♡+1
なんとこれは傑作
Love you!…♡+3
気兼ねなく好きなものに
♡を送るのは楽しい
そこに打算を感じたり
恥ずかしくなったりしないですむから
いつもあなたを見ています
Love you!…♡+1
昨日あなたを見つけました
Love you!…♡+1
今日もキレキレですね
Love you!…♡+1
なんとこれは傑作
Love you!…♡+5
『Love you』
焼き立てのホットケーキにかけるメープルシロップ
明け方の空に光る銀色の月
輝石のような実を結ぶ前のすぐりの花
日だまりで昼寝をしていた猫の背中の毛の匂い
君が寂しくないように
僕が見つけた小さな太陽の
ありかを教えておく
いつか明けない夜が来ても大丈夫
雲で隠れてしまっても
空がそこにあるように
太陽が沈んでしまっても
目には見えなくなるだけだ
一番大切なことは目には見えないって
心の中に一つ太陽を持てば
5億の星が君のための太陽になるってこと
でも君が見えなくなったら
やっぱり僕は泣くだろうな
君より明るく照らすものなんて
どこにも見つけられやしなかったから
『太陽のような』