謎い物語の語り手

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11/9/2024, 6:46:54 AM

意味がないこと


淡い青の、果てしなく続く空間の中でただ呼吸を繰り返す。私が何なのかも分からぬままに。

時を追いかけていたら、何かが違う壊れた世界にいた。いや、ここではこれが正常なのか。

行く宛もなく彷徨えば、私を見つけた。

ただ無邪気に笑って、友達と歩いている。

そのあどけなさも、幸せそうな笑顔も憎らしい。

あの時壊せなかったなら、今消してしまえばいい。

自分の中で黒い感情だけが疼いている。

次の瞬間、カァカァと声を出して、そんな黒い気持ちを具現化したような色の鳥が飛んでいった。

茜色の空間に変わっていた。

ああ、馬鹿な考え事をしている内に1日が終わってしまう。

私に似た学生はもう下校しているようだ。

思っていたよりもずいぶんと早く大人になるよ。

そうして、時が過ぎて私の世界は、私の人生は壊れて逝くのだから。

そんな世界の中でただ息を吐く。意味がないことを繰り返す。

11/7/2024, 10:31:10 AM

車視点のCM

あなたとわたし、どんな物語がありますか。

11/7/2024, 9:54:18 AM

柔らかい雨


人魚の女神が慈悲の涙を流したら、世界に雨が、人々に幸福が降り注ぐらしい。

そして再び幻の湖に水が沸き上がれば救われる。

ずっと、その言い伝えを信じていた。
いつか荒んで貧しい、この世界が明るくなると。

女神様、いつ私達に慈悲をくださいますか。

私はもう、何度も運命と戦いました。
彼らもずっと、希望を待ち望んでいます。

我ら聖騎士団に、剣を握る腕はもうないのです。

一筋の光が射し込む廃神殿の真ん中で祈る。

壊れた女神像は、もう私達に救いなどないことを示唆しているのかもしれない。

「どうすれば…良かったのでしょうね」

どうしようもなくて、女神像を抱きしめ泣いていた。

長い時間が経った。眠ってしまったのか。

見れば、女神像の目が蒼く光っている。
私の涙が女神像の目に掛かり、こぼれ落ち、泣いているように見えていた。

柔らかい雨が降り注ぎ、神殿は湖のように潤んでいた。

11/6/2024, 9:21:51 AM

一筋の光


ネタ切れだ。
もう何も思い付かない。
頭の中の想像力の海は真っ暗だ。
一筋の光すら射し込んじゃいない。

11/3/2024, 10:04:21 AM

眠りにつく前に


神代の昔、命を賜った二神は大地と生命を生んだ。

そうして世界を造ったが、女神はある日火傷を負い死んでしまったそうだ。

神話というものは実に単純で、人間どものその時の価値観と、支配の為に創られる。

「君が眠りにつく前に、もしもの話をしようか」

幾星霜を越えたいつの時代か。

死は穢れではなくなり、隠れた魂は生あるものから見えず、そしてそれは救済であるとしたら。

もしも今の生命が死んでも、別の生命に生まれることが信じられているなら。

私達は木を挟んで話していた。

「だから、きっと私達はまた逢えるよ。

今は、安心して眠ってくれ。辛い世から隠れてくれ。」

眠りにつく前の最期の君は笑っていた。

私は涙が止まらないというのに。

「なら、私は人間を眠りに導くわ。貴男がいつか、別の生として彼らを呼び起こせるようになるまで。」

そして、それは神をも支配する。

死が二人を別つとも、何度だって巡り逢おう。

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