『君と一緒に』
幸せにすると言ってくれた君
わずかな違和感を覚えながらも
うなずいた私
子どもができて
私と同じくらい
君が頼りにならないことを
痛感した
でもね
初めてだらけの子育てを
“一緒に”
楽しんだり慌てたり
心配したり喜んだり
頼りにならない君と分かち合えたことが
どれほど心強かったか
幸せにする、なんて言われても
君に幸せにしてもらおう、なんて
思っていなかったから
ちょっとだけ違和感があったけど
こんな風に幸せは作っていくんだろうな
こんな風に君と一緒に
『冬晴れ』
切るような冷たい空気
どこまでも澄んだ空
薄い水色の空はどこまでも遠い
雲ひとつない明るい空
風の音が街を駆け抜ける
これだけ風が強ければ
それは雲も留まっていられないわ
こんなにキレイな空だけど
見上げることもなく
コートに顔を埋め
今日も足早に職場に向かう
ああ、さっむ
『なぜ泣くの?と聞かれたから』
なぜ泣くの?と聞かれたから
なぜ泣かないの?と聞き返した
気持ちを押し殺すことに慣れすぎると
自分の感情に鈍感になっちゃうよ
たまには泣いてみてごらん
自分の中に溜まっていた
澱みたいなものが
洗い流せるかもしれないよ
『やさしさなんて』
やさしさなんて、誰かにとってその時そのやさしさが都合良かっただけ。な場合が時にある。
そこを割り切れる人は良い。
でも、ただただやさしい人は特に注意。
心のどこかで見返りを求めていないか?
自己犠牲の線引きは出来ているか?
それは相手のためになっているのか?
やさしさなんて、自分を追い込んでまで発揮するものじゃない。それに、過ぎたやさしさは、自分も周りもダメにする。
『泡になりたい』
暑い。
今朝の天気予報では、最高気温は38℃の予報だった
経験したことのない暑さ、と気象予報士は言っていた。
実際はどうだったのだろう?経験したことは…。
いや、そんなことはどうでもいい。
とにかく暑い。
もう太陽はとっくに沈んでいるのに暑い。
仕事から帰ってきたときに涼しい部屋にするために、エアコンのタイマーをセットしておいた。
玄関のドアを開けるとひんやりとした冷気が出迎えてくれる。
一目散に冷蔵庫に行きたいが、ここはもう少し我慢。コンビニで買ったつまみをテーブルに置き、手洗いうがいをしたら部屋着に着替える。
と言ってもシャワーを浴びるのは後回しで、スーツのズボンをハーフパンツにはきかえる程度。とても人に見せられる格好ではない。
缶ビールを取り出す。冷凍庫でキンキンに冷やしておいたジョッキに慎重に注ぐ。
よし。自分好みのビールと泡、7:3の配分。
白っぽくなったジョッキから見える黄色い液体と決め細やかな泡。美しい。
意識を家モードに切り替え、一気にビールを流し込む。冷たい液体が食道から胃を通るのがわかる。
ひんやりとした苦味が心地よい。
はーっ。最高。今日もお疲れ様。
天井を見上げ上唇についた泡を舐めた。