【君と見上げる月…🌙】
「今日は月🌙が明るくて綺麗だよ😆」
そんなメッセージと、10件ほどの「おやすみ」スタンプ。
彼女は、毎日欠かさず 数十件もLINEを送ってくる。
天気予報や、身の回りのことなど、日によって変わる。
おじさん構文のような絵文字の多用をするのも、見ていて楽しい。私にはできないテクニックだ。
彼女との会話はこれが主で、1日の楽しみでもある。
世代が違う人とのお話しは、時に怖気づいてしまう時があるが、彼女になら気兼ねなく話せる。
明日は敬老の日だ。何を送ろうか。
【言い出せなかった「」】
ギラつく君の目の奥は、これから私をどう後悔させようか考えている。いつもより低い声は、攻撃的なときの合図。
それは、私が君を、多少なりとも不快にさせたから。
私は笑顔を作れなかったけど、溢れたのは涙だったけれど、
怖くはなくて、むしろ愛おしいと思えた。
だって私は、どんな君でも愛すのだと決めたから。
でも、喉は開かず、唇は重い。腹の底に沈んでく愛の言葉。
口をついてでたのは。
「別れてください」
【secret love】
それはたとえば、
手が痛い、何かに刺されたかも、なんて、血の出てない手を見せてくる。
種のわかりきったマジックを見せてくる。
猫のように、私の上に乗ってくる。
私と二人きりで遊ぶための時間に、ゲストがいるだけで、貴方の心は曇り模様。
それは多分、貴方が気がついていないだけの、貴方の中に秘められた、恋心のせい。
私の一番になりたいと思う、幼い心のせい。
誰かからの評価なんて、貴方の成長には何も与えないのに。
【ページをめくる】
朝起きて、1日のページをめくる。
学校に行って、教科書をめくる。
休み時間には、小説をめくる。
塾に行って、テキストをめくる。
めくるめく日々の中で、私は今日も。
布団をめくって、おやすみなさい。
【もう一歩だけ、】
休日。悲しいことがないのに涙がボロボロと溢れた。
最近は、勉強続きの毎日だったからだろうか。気が抜けて枯れ果ててしまったのだろうか。私の心はこんなにも静寂を保っているのに、滝のように溢れてくる。
それはちょうど、エアコンは、つけ続けるよりも、電源を切る時とつける時の方が電気を使うらしい、みたいなこと。
歩き続けることのほうが、休むことより楽なのだ。
周りには「休め」と言われた。
じゃあ、なにをしたらいいんだろう。