マグカップに 泥水

Open App

【言い出せなかった「」】
ギラつく君の目の奥は、これから私をどう後悔させようか考えている。いつもより低い声は、攻撃的なときの合図。
それは、私が君を、多少なりとも不快にさせたから。
私は笑顔を作れなかったけど、溢れたのは涙だったけれど、
怖くはなくて、むしろ愛おしいと思えた。
だって私は、どんな君でも愛すのだと決めたから。
でも、喉は開かず、唇は重い。腹の底に沈んでく愛の言葉。
口をついてでたのは。
「別れてください」

9/4/2025, 2:10:40 PM