みこ

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9/17/2024, 3:41:01 PM

花畑に行くと私は昔を思い出す
シロツメクサの花をひとつひとつ丁寧に紡いでいく
完成した冠を隣で笑う君に渡す
「末永くよろしく」
そんな想いを込めて
長年連れ添ってきた君は今、私の手を握っていた
目には涙を浮かべ必死に語りかけてくる
私は君の頭に手を伸ばし、幻の冠を乗せた
「今までありがとう」
そう最後にささやいた

9/15/2024, 4:36:35 PM

君からのLINE

 君からのLINEを、私はいつも心待ちにしている。続けて来る時もあれば、1ヶ月来ない時もある。そんな不定期なやり取りが私の日常であり、楽しみであった。
 私は君のことがとても好きだった。君とやり取りがしたくて、買ってもらったばかりの慣れないスマートフォンの操作を必死に覚えた。通知が来れば君からかと心が踊り、すぐにアプリを起動させるようになった。大体は、公式アカウントからのメッセージを恨めしく眺めてはアプリを閉じることになるのだが、君からメッセージが来たときだけは、緊張しつつも相手に悟られないように慎重に返信していた。今思えば、私の中でLINEは、あなたとの関係を縮めるためだけのツールで、話の内容までは気にしていなかった。
 一世一代の告白も虚しく、君の彼女になることはかなわなかったが、その後もやり取りを続けた。むしろ好かれなくてもいいとまで吹っ切れた私は、純粋に話すことを楽しんでいた。不思議なことに、悩んでいる時よりも今の方が2人の関係は良好であるように感じる。
 私はもう君を好きではないが、染み付いた習慣というのは恐ろしく、ことあるごとに通知を確認したり、LINEの通知音が鳴ることを期待してしまったりしている。ただのメッセージアプリに一喜一憂する自分に苦笑しつつ、君からのLINEに淡く切ない青春の想いを馳せている。