みこ

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10/23/2024, 3:16:56 PM

子供の頃は毎日空を見上げていた
どこまでも続く大空
閉じた世界から見る大空はとても自由だった
大人になった今、多くのことを自分で決められる
お金があれば何でも帰る
どこにだって行ける
ふと気づく
最近空を見上げていないことに
ああ、分かってしまった
私はもう自由を渇望してはいないのだと
幼少期に恋い焦がれたあの自由は
もう手の届く場所にある
手に入るものは途端に色褪せる
空を見上げる
今日も変わらぬ青空だ

10/18/2024, 2:43:06 AM

他人とすれ違った時
ふと知っている匂いがした気がした
思わず振り返るけど、彼の姿はない
彼への思いはもう絶ちきったはずなのに
どうしても思い出してしまう
もう好きではないのに
嬉しい報告はあなたにしてしまいたくなる
一緒にいれる未来はもうないはずなのに
忘れたくても忘れられないあなた
ほんの少しの切なさと胸の痛みを抱えて
過去に別れを告げる
また思い出すだろう
その度に悲しくなる
これもまた人生を歩むということだろう

10/15/2024, 2:47:22 AM

『竹』
高く高く伸びる竹
どこまでもどこまでも
太く柔らかく瑞々しく
蒼天に突き上げる
雨風に負けない強さと
力をいなすしなやかさ
そんな竹のような生き方をしたい

10/12/2024, 3:42:19 PM

放課後は特別な時間だ
学年が違うあなたと会える
今日は何を話そう
授業のこと、お弁当のこと、友達とのこと、
そしてあなたが大好きだということ
このために1日頑張れる
どんなにつまらない授業があっても、
嫌なことがおきても、
あなたに会えるのならちっとも辛くない
あなたが卒業するまであと1年
限られた時間を大切にしたい
今日は何を話そう

10/11/2024, 2:09:46 AM

静かな放課後の教室には私とあなたしかいない
向かい合って座り本を読む
これがいつもの光景だった
私は本から顔を上げた
目の前のあなたは涙を流している
「どうして泣いているの」
そう聞くと、あなたは微笑みながら言った
「本の内容に感動して」
「そっか」
私は目線を手元の本に戻した
あなたは本に感動して、と言ったけれど私は知っている
本当は悲しみで泣いていることを
これが最後の読書になることを
もう二度とこの時間はやってこないことを

本を読み終わって窓の外を見るとすっかり暗くなっている
あなたはまだ泣きながら「じゃあね」と言って行ってしまった
最後までずっと泣き続けたあなたと泣くことすら出来なかった私
もう二度と会えないのに
あなたの声は聞けないのに
見ることも触れることも叶わないのに
1人になった教室であなたとの最後を思い出す
なんであんなに泣けるのだろう
あなたが私の元から去っていったというのに
「泣きたいのはこっちだよ」
そう呟き、空っぽになってしまった心で教室を後にした

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