t「魔法」
恋の魔法は恐ろしい。
君と出会って恋を自覚した瞬間から君の事で頭が一杯になってしまう。いつも頭の片隅に君がいて、君がどうしたら笑ってくれるか、どうしたら自分に興味を持ってくれるか、考えてしまう。
ゲームの通話でいつも通りを装ってはいるが、バレないかとドキドキもしている。君とするゲームはよく目なくしても楽しい。最近の楽しみは君とのゲームだから、この時間がなくなるのだけはどうしても避けたい。自分の気持ちが外に出ないように頭の隅の隅に居てもらう。もう居なくなって貰う事は諦めた。この幸せの一時のために自分に掛かった魔法に立ち向かいながら、今日も君の声色と共にゲームする。
t「ひそかな想い」
知っているこの想いが君に届かない事を 。
君に好きな人が出来るまで、自分は君の親友という隣の立ち位置を守り続ける。
ひそかな想いを寄せながら叶わない現実に絶望しつつも、君の傍を離れられない。
君に好きな人が出来ればきっと離れる事が出来るはず。
だからそれまではどうか、君の隣に居させて欲しい。
t「あなたは誰」
「君は誰......?」
「それはこちら一緒だけど...?」
とりあえずとお互いに自己紹介をする。友人に勧められて始めたゲームにドハマりして、そこで会った人と意気投合してオフ会をしようという流れになり、今に至る。
会う前に説明された服装と目の前の人の服装を見る。向こうも同じ事を思ったのかスマホ片手にこちらを凝視している。思う事はお互いに一緒か。
それにしてもよ、顔が良すぎんか?声を掛けられた時に思わず誰?とか失礼な事を口走ってしまった。冗談だと思ったのか向こうはノってくれたから良かったけど、普通に顔が良すぎてびっくりした。え、今日この人と出掛けるの?え?
「とりあえずお互いに合ってるみたいだし行こうか」
「そ、そうだね」
ほうけていると向こうから声を掛けられて何とか返事を返す。行く場所はもちのろんゲームセンター。遊ぶとわかる。やっぱりゲームで会った人だぁ。いやでもこんな顔の良い人だと思わなかった。ゲーセンに向かう途中も今も周りから視線をひしひしと感じる。
うぅ…これなら、あなたはどんな人だろう状態で留まっておけば良かった…。
t「手紙の行方」
ふとニュースを見て思った事がある。海外の出来事、特に生死に関わる事で自国の人が関係ない場合でも取り上げるのは何故なのか。 気になってスマホ片手にネットサーフィンをする。
あ、これは納得出来るかも。
色々と見た中でこれかな?と思う文を見つける。
海外でのニュースで自国の人が〜というのは、身近な人に渡航している人がいる人のために報道してる。
なるほどなぁ。同じ国内でさえ何が起きてるのか、朝ニュースを見て知る事が多い。場所を見てそこに知り合いがいたら、大丈夫?って安否確認含めて連絡を送るもんなぁ。
これでもしかしたら本人には届けられないメッセージを送る事が出来るかもしれない。だから報道するのかぁ、納得。
本人が送る事が出来ない場合のメッセージはどこかの誰かに届けるため。
t「輝き」
推し活は素晴らしい。何気なく見た画面、その輝きを放つ存在を見て一気に沼った。
言葉一つ一つが丁寧で大人っぽい、とか思ったら次には悪戯っ子のような雰囲気を醸し出す。メンバーとお話してる時はとても嬉しそうで、何よりも本人が一番楽しんでいるように思える。
本人の喜怒哀楽がくるくる変わる様に思わず笑ってしまう。
今日も頑張ろう、明日も頑張ろう、推しの笑顔は何よりの励み、推し活ができる、それは元気である証拠。