コハク

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1/28/2025, 12:47:49 PM

t「帽子かぶって」

「これ持ってて」
君に無理やり被せられた帽子。それは自分をキュンとさせる要因としては十分だった。
肌にじとりとまとわりつく生ぬるい風が人々の間を駆け抜ける。太陽が笑顔で輝いて汗が止まることを知らない。
きっと君はそんな自分を見たんだろう。帽子をかぶっていない自分を見て、君の帽子を被せてくれた。そして君は水を片手に戻ってくる。
優しい君の心遣いに、嬉しくなる頬を帽子の下に隠した。

1/27/2025, 1:21:37 PM

t「小さな勇気」

あぁ知ってる。私も同じだったから。
人通りが多い駅の前の四人掛けのベンチに座る子どもにたまたま目がいった。
いつもなら気にもとめないけど、その子どもの動きがあまりにも挙動不審で気になったのかもしれない。きょろきょろと周りを見渡して、それからペットボトルを見て、またきょろきょろと周りを見ている。私も幼い頃その状況になった事がある。でも今のご時世、私の想定した内容と違っていたら私が不審者になりかねない。でもあの様子は間違いなく幼い頃の私と同じ。人見知りが激しい私はその子どもに声を掛けるという行為はとても勇気がいる。その子のそばにいけばもしかしたらと思ってもその足がまず動かない。その子の顔が曇ってくる。心が震えながらその子に近づく、きっとその子も人見知り私と同じ。
「蓋、開かないの?」
「うん」
「かして」
「(頷く)」
「開いたよ」
「ありがとう…!」
「どういたしまして」
心臓がバックバク鳴った。その場から足早に立ち去る。歩きながら振り返るとその子はやっとありつけた飲み物をゴクゴクと飲んでいた。良かった…。お互いに知らない人との会話は勇気がいる。人見知りの私と小さな子ども、お互いの小さな勇気がたまたま噛み合って、あの子が笑えて本当に良かった。救われた過去の自分と重ねて自分も少し口角があがった。

1/26/2025, 9:19:57 PM

t「わぁ!」

わぁ!おぉ!すごい!やばい!
なんて、そんな可愛げのない反応しか出来ない。
愛嬌があれば愛想があれば…無いものねだりばかり
驚く反応一つ取っても自己嫌悪におちる
もっと人として可愛げがあればよかったな。

1/25/2025, 1:22:32 PM

t「終わらない物語

さぁ、その足を少し前に踏み出して。見た事の無い扉を開けるのも良い。既に開いてる扉に手を伸ばすのもいい。でも、どの扉も開かずただそこに居るだけでも良い。それはまだまだ続く人生の中で開く扉の一つにすぎない。たくさんの選択肢の中から君は選んで、君だけの物語を完成させてくれ。君のじんせいの幕が閉じるまで君の物語は未完のままだ」

壮大な題名の日記を買った。早速書こうとしたらこんな事が書かれていてちょっとわくわくしたのは秘密。

1/25/2025, 12:18:00 AM

t「やさしい嘘」

大丈夫
心配ないよ
笑顔で優しく言葉にする
自分のために
頼られるのは嬉しい
でもたまに息苦しい
忙しない日々に充実を感じながら
自分を押し殺して生きている
断れない性格ともいう
まだ、出てこないで
苦しい自分に言い聞かせるように
大丈夫、心配ないよ
苦しむ自分に背を向けながら笑顔で微笑む
自分に、周りに、やさしい嘘で今日も

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