t「良いお年を」
今年一年お世話になりました。来年もよろしくお願いします。
なんて言葉をとりあえず並べてみる。
最後に良いお年をとぺこりと顔文字なり絵文字なり付けて社交辞令を済ませる。
良いお年を、その年を良くするか悪くするかなんて自分次第!他人に言われんでも自分で毎年最高の一年にするぜ!
それぐらいの気合いで!みんな!良いお年を!にしよう!
t「みかん」
「蜜柑の季節やんな〜」
『そうだねぇ』
窓際に立ち外を眺める君が空返事をする。でもそれは仕方ない。だって今日は珍しく外に雪が積もっているから。
たまに降る事があっても、積もる事な少ない。物珍しい光景に釘付けになってる君は、窓の側から動けずにいる。その姿を見て思わず笑みがこぼれてしまう。
「外、行こうか?」
『!?』
自分の言葉にバッと振り返る君。その表情が愛おしくてまた笑いがこぼれた。外に行く準備をして、ドアノブに手を掛けた瞬間君はいの一番に飛び出す。
「可愛いな〜」
艶やかな黒色に雪の結晶が乗っかり、妖精のようにふわりふわりと雪を踏み潰す感触を味わっている。
「寒いから遠く行かんといてな」
そう声を掛けその場にしゃがみ込んだ。
帰ったら君の好きなこたつで蜜柑でも食べてぬくぬくしようかなと思った。
t「手ぶくろ」
ある日君からの連絡で君の家を訪れた。
玄関に入るとポンと君の家に忘れた手ぶくろを頭の上に置かれる。
「また忘れたの?わすれんぼさん」
「ごめん、取りに戻ろうと思ったんだけど時間も遅かったから…」
「別に気を遣わなくていいのに」
「次からは気をつけます…」
「そうだね、次は時間を気にしなくていいから取りに戻ってきて」
手ぶくろを忘れてしまって冷えきった自分の両手を
家にいた君の暖かい両手で包み込むように握られる
「こんなに冷えきって、心配になるよ…」
…わざと忘れ物をして君と会う口実にしたなんて、優しい瞳を浮かべる君には口が裂けても言えない。
t「変わらないものはない」
季節はいつだって変わるし隣にいる人たちも変わっていく
それは良い意味でも悪い意味でも現実で過去で未来でもある
時間が全てをさらって心残りもなく解決した事もあれば
自分の中で納得出来ず消化出来なくて残った事もある
そんなうつろう時間の中で
周りに振りまわされたり、自分自身のやりたい事だったり
様々な事が目まぐるしくまわる世界で
自分は自分自身の芯だけは変わらずいきている
形も思いも言葉も人も変わらないものがない世界で
自分の大切なモノだけは守れるようになりたい
t「眠れないほど」
寝ても起きてもみれないほどの夢をみてる
誰もが成し遂げられることじゃない夢を
俺たちはみんな同じ志で目指している
あの夢のステージへ一歩また一歩と
何度眠れない夜を過ごしてきたか
泣いて笑った日々を繰り返して
俺たちの掲げた夢のステージ
光り輝くスポットライトと
暖かく迎えてくれる歓声
マイクと衣装をまとい
今日という日に挑む
眠れないほど見た
俺たちの夢を
ありがとう