指折り数えた時もあった。
そっと除き見て笑ったこともあった。
走り書きに慌てたことも、あったねぇ。
そう考えたら、案外お世話になっているんだと思う。
あることが当たり前で、ないとかなり困る。
”カレンダー”って、そういう存在なんだよね。
きみの記念日があることをすっかり忘れてるけど、日々感謝してるから、それでゴメンしてね?
カレンダー
滑り落ちるって、こう言うことかな。
それとも、削り取られたってことなのかな。
ただ、もう、君の側にはいられないって思ったんだ。
本当はね、ずっと一緒にいたかったんだよ?
でも、ダメだった。
君の明るさが、君の優しさが、君の全てが。
いつだってズタズタにしていくんだ。
あんなに心地よかった君の隣。
その心地よさが、もう感じられなくなった時点でおしまい。
”喪失感”なんてもんじゃない。
好きでも、一緒にいちゃいけない相手がいるんだって。
君を見ていて思い知らされたんだ。
喪失感
そう言われても、今イチピンとこなくて。
正直、いくらでもあるだろうって、思ってた。
いや、今でも思ってるかな。
これだけ広いんだから、そっくりな誰かがいても、おかしくないから。
だから、”世界に一つだけ”の意味が解らなかった。
正直、今でも解ってないんだと思う。
それでも、そう言ってくれる誰かがいるだけで。
明日が怖くなくなる気がするんだ。
世界に一つだけ
ひっそりと、なんて無理だった。
どうしたって、叶わないことで。
それでも、無理だと諦めたくなくて。
だから、伝えるよ。
”胸の鼓動”が煩いけど。
そのドキドキが、どっちになるかは、きっと君次第なんだ。
胸の鼓動
いつだって絶体絶命。
生きているようで、片足あの世に行っているみたいで。
本当に、いつだって不安定で、不思議で、陽炎みたいで。
そんなあの人が唯一生きていると実感できるのは。
一心に踊り続けている時。
まるで”踊るように”、命さえ投げ出しかねない人だから。
だから側にいたんだ。だからきっと、追い付いてくれるって、信じてたんだ。
でも、違った。あの人にとって自分は、勝手に先に行って置き去りにした最低な相手になってた。
言葉にするのが苦手な人だから、先回りしたことだってある。
それが、あの人にとっては身勝手で自分勝手に写ったんだろう。
きっと付いてきてくれるって、いつか本音を話してくれるって、信じてた。
けど、後に続いていないことに気づかなくて、待たなかったことが悪いのなら。
本音を聞いたのに、例えで誤魔化して言ってくれなかったことに気づかなかったのが悪いのなら。
待つこともしないで、意味に気づかなかった自分が悪いんだろう。
だから、どうか、その人とは幸せになって。
まるで”踊るように”、軽やかに並んで歩く2人を見送りながら。
言葉にならない絶望と、もしもを願う浅ましさを嗤うしかなかった。
踊るように