NoName

Open App
2/9/2023, 2:37:03 PM

君はサンリッチレモンを知ってる?
薄い黄色が綺麗なひまわりなんだけどね。
花言葉も良い言葉なんだよね~。
後はねぇ、サンリッチオレンジってひまわりも良いよ~?
どっちも綺麗な花言葉なんだよねー。

だから、ーーに渡したかったんだけどさ。
時間もないし、ボクには似合わない花束になりそうだからさ。

ーーーだって、”願望”と”未来を見つめて”なんて、ボクにはもう関係ないからさ。


花束

2/8/2023, 1:32:48 PM

ボクの友達、ーーって言うんだけど、いつも笑ってるんだ。
ニコニコ笑って色々話してくれるし、ボクの話も笑って聞いてくれるんだよ。
本当、呆れるくらいに優しくて、面倒見が良くてね。
ボクとしてはもう少し狡くても言いと思うんだけど、そんなところがーーらしいなって思うし、だから一緒にいるんだけどさ。

何より、こんなボクを見捨てないでいてくれるくらいには、優しくて友人思いなんだよねぇ。

……でも、知ってるんだ。
ーーは、笑っているけど、”笑って”はいないんだよ。

嘘じゃないよぉ~? だってそうじゃなかったら、もっと、ねぇ?
笑顔でいることが、必ずしも”笑っている”とは限らないんだよ?

道化にさえなれない”スマイル”をちゃんと見つけ出せていたら、ーーは、きっと”笑って”くれたのかなぁ?

……なーんて、今さら、なんだけどねぇ。


スマイル

2/7/2023, 1:52:23 PM

”どこにも書けないこと”を聞きたい?
君は面白いことを言うねぇ?

うーん、そうだなぁ。
まぁ、あるにはあるよ。一応生きているからね。
でも、それを聞いてどうするの?
え? 単なる暇潰し?
全く、どうしようもないねぇ。

仕方ないから、1つだけ教えてあげる。

君はボクにーーーーってことを、さぁ。


どこにも書けないこと

2/6/2023, 1:48:27 PM

カチ、カチ、カチ。

聞き慣れた針の音が、静かなセカイで時間を送ってる。
がらんとしたこの部屋で、一番価値があるのはこの時計かもしれない。
価値って言うか、”生きてる”って意味ならそうかもね?

くるくると回り続ける針は、まるでボクみたい。
決められたセカイで抜け出すことも、戻ることも、立ち止まることも出来ないんだから。

あ、でも1つだけ違うか。針は、ちゃんと”未来”に進んでいるから。
それはそれで、大切なことなんだろうけどねぇ。
”未来”へ価値を見いだせなくなったボクにとっては、単なる絶望でしかないんだよなぁ。

ーーーでも、君にとっては違うんだろうねぇ。

「”過去”に捕まったままのボクと、”未来”を見ている君の違いかな?」

だとしたら、ボクの結末は君にとっての”始まり”で”終わり”になるんだろう。


時計の針

2/5/2023, 2:35:38 PM

無くしたくなかった。
失いたくなかった。
それは今だから言えることで。


ずっと、ずっと、一緒にいられるって、思ってた。
一緒にバカなことして、下らないことで笑い合って、些細なことでケンカして。
そうやって、一緒に歩いていくんだって。そうやって、一緒に生きていくんだって。
ーーーそう、思っていたのに。


一緒にいることが当たり前で。いつかは別れる時が来るとしても、それはもっと先のことで。
そのいつかを思うよりも、どうせなら一緒にいられるようなことをしたい。
ただ漠然と、けど、そうしたいと思っていたんだ。
ただそれだけ、だったんだーーー。


……でも、終わりは突然だった。
退屈なくらい当たり前な日常が、呆気なく壊れるなんて思わなかった。


ーーー正直、訳が解らなかった。
終わってしまった”日常”に愕然として、それなのに、”日常”に戻らなくちゃいけないことに絶望した。


ーーーだから。

かけがえのない日常を奪った”あいつら”を。
全てをなかったことにした”あいつら”を。


ボクは。
俺は。


ーーー絶対に許さないと決めたんだ。



溢れる気持ち

Next