触れるだけのkissをした。
想いも、覚悟も、驚きも、戸惑いも、怒りも、哀しさも。
全部を込めたkissだった。
それが正しかったのかは、正直、解らない。
けれど。
そうでなければ今頃、こうなっていなかったことだけは確かだ。
例えば、生きることができたとしたら。
例えば、稼動するものがあるのならば。
例えば、続く想いがあるとするのなら。
どれもこれも、一時の夢で、切望で、願望で。
有限であることの意味さえ、無意味で無価値になるのかもしれない。
在るものがなくなって、無かったものがあるようになって。
そうなったとしても、不変を望めるのだろうか。
そうなった自分に。そうなったセカイに。
望むものは、”その先”なのだろう。
1000年先も
ーーー朝、目覚める度に思う。あぁ、また無意味な1日が始まるのだと。
ひらり、ひらり。
楽しげにスカートの端を翻してはしゃぐ彼女。
その後ろを、僕はゆっくりとついていく。
彼女が笑う度に、僕は泣きそうになって。
彼女が振り向く度に、僕はそっぽを向いて。
彼女が話す度に、僕は手短に言葉を返した。
ずっと、こんな日が続くと思っていた。
いつだってありきたりで、平凡で、何気ない日々を、一緒に歩いていくんだと思っていた。
”あの日”までは。
ーーーねぇ。
ーーーん?
今日は、どんな話をしようか?
……そうだな。 ”さき”の話が聞きたい、かな。
勿忘草(わすれなぐさ)
ゆらり、ゆらり。
楽しかったはずの遊びは、いつの間にか幸せと不幸せを表すようになって。
思いきり振りきることができなくなった。
何で、そうなったんだろう。
ただ言えることは、飛び降りた先に待つのがどちらかなんて解らない事実だけだ。
ブランコ
ずっと、ずっと続いてきたのかもしれない。
いつ始まったのか、いつ終わるのか。
それはきっと、解らないままなのかもしれない。
多分、それでいいのかもしれない。
知ってしまったら、きっと足掻くのかもしれない。
始まりは、何だったのだろう?
終わりは、どうなるのだろう?
それを見ることは、きっとないし、知ることもない。
それを知るのも、見るのも、自分ではない”ジブン”だから。
解らないまま繰り返した先に、どうか穏やかな終焉を。
”魂”と呼ばれる”深淵”に、”ジブン”もいることを願って。
旅路の果てに