カチ、カチ、カチ。
聞き慣れた針の音が、静かなセカイで時間を送ってる。
がらんとしたこの部屋で、一番価値があるのはこの時計かもしれない。
価値って言うか、”生きてる”って意味ならそうかもね?
くるくると回り続ける針は、まるでボクみたい。
決められたセカイで抜け出すことも、戻ることも、立ち止まることも出来ないんだから。
あ、でも1つだけ違うか。針は、ちゃんと”未来”に進んでいるから。
それはそれで、大切なことなんだろうけどねぇ。
”未来”へ価値を見いだせなくなったボクにとっては、単なる絶望でしかないんだよなぁ。
ーーーでも、君にとっては違うんだろうねぇ。
「”過去”に捕まったままのボクと、”未来”を見ている君の違いかな?」
だとしたら、ボクの結末は君にとっての”始まり”で”終わり”になるんだろう。
時計の針
2/6/2023, 1:48:27 PM