部屋の片隅で、私は自身の膝を殴る
アザができても手を止めず
虚ろな瞳で体を痛めつける
嗚呼、あんなこと言いたくなかったのにな
嗚呼、誤解されてたらどうしよう
嗚呼、酷いことしちゃったな
…
薄暗いライトが照らす部屋の中で、ただ自身を叱咤する
心のなかでも、どこでだって、
私はいつだって失敗ばかりで
そして独りよがりに傷ついていく
面倒くさい女だ
気持ち悪い女だ
関わりたくない女だ
私がもうひとりいたら、きっと、私を殺すであろう
痛いのはイヤだ
けど、私のことは殺したいくらい嫌いだ
そんなどうでもいいことを考えながら
私は私を痛めつける
私が傷づけてしまった
あの人たちのために
トイレに入り、深呼吸してから、腕をひっかく
腕に痛みが走る、
よかった、夢じゃないと確認してから、私は用事を済ませた、こんなの、いつまで続くんだろう
私は夢と現実の区別がつかない
だから、プライベートなことをするときには必ず
腕を引っ掻いてからする
そうじゃないと、とてもじゃないが
不安で手につかなくなってしまう
やめたくても、もし夢だったらどうしようと不安で
ついやってしまう
いつになったら、治るのかな
ゆらゆら炎がゆれる
自分だった物が溶けて、液体となって床に広がる
僕を見つめる 不安げな顔の君は
そっと、静かに、救助を待っていた
忘れてはいけない東日本大震災
一人になってしまった中学生の君は
防災グッズの中に入っていた僕で暖を取り始める
ゆっくり 冷静に
救助が来るまで見つかりやすいところに移動して
溶け切る前に僕が見たのは
大量の瓦礫と
やつれた君の顔と
救助と思われる ライトの光だった
静かに貴女に近づくと、貴女はギョッとした顔をしてこっちを見る、ワタシはその顔を見て最悪だった気分が和らいだ気がした、
貴女は気づかれてないと思って、ワタシのことをああ言ったのでしょう、でも、それは大きな間違い
空気は教えてくれる
噂話を
恋話も
陰口も
貴女がワタシを心配する振りをして密かに笑っていたことも、
風は教えてくれる
体の動かしかたを
勇気の出し方を
そして
相手の後ろをとる方法を
そしてワタシは、貴女に教える
人生は予想がつかないものだと
人の心が砕け散る瞬間を
貴女の
壊し方を
ふゆになったら、貴方のその顔を思い出す
ワタシのことを見て、貴方はこういうの
「イカれてる」
そう言って、ワタシをその素敵なお仲間さんと馬鹿にするの、自分の常識を正しいと思って、
その常識ってやつが、ワタシの持っている常識となったら、貴方は自分自身にこういうでしょう
イカれてるってね