あの頃
おじいちゃんおばあちゃん
父も母も
歳の離れた弟妹も
みんなで同じテレビを見てた
週末 20時はクイズ番組
思い思いに答えを叫んでは
答える早さを競ったりして
そんな時間も
今では〝エモい〟と言うのでしょうか
♯ question
雪の舞った翌翌日、
暖かな空気に包まれて
冬に枝ばかりになったブルーベリーも
花芽が膨らみ、愛らしいももいろに
ほとけのざも生えてきた
待ちに待った芽吹のとき!
喜び勇んで外に出れば
くしゅん!くしゅん!
そうだった!
花粉の舞う季節でもあるのよね
せつない気持ちで部屋に戻り
ライトグリーンの服を取り出した。
せめて芽吹色の服で春を楽みたいな。
あの日の温もり
あの日のたい焼き、
あの日のぜんざい、
あの日のちゃんちゃんこ、
あの日のおじや、
思いだされるあの日の記憶
あの日の言葉
あの日の涙
あの日のハグ
心に温もりを伝えるものよ
時が経っても、なお冷めない温もり
祖父の小さな黒い手帳には
365日の天気と気温
が記されている
それを知ったのは小学生のある夏の終わり
宿題を持って祖父の家に行った
夏休みの友には毎日の天気を記すページがあり
幾つもの空欄を見た祖父は
黒い手帳を取り出して教えてくれたのだ
それから数十年後、、
祖父が来る年も来る年も
天気と気温を記録していたこと
それは畑仕事のためだったと知る
気象の記録だけではない、
いついつ、何の種を蒔き、
いつ、間引き、肥やしをしたかといった
作業の記録だったのだ。
次の年、次の年の畑仕事のために。
毎年いただいてた美味しいお野菜は
こうした記録によっても作られていたのだと知り
今は伝えられない 感謝の気持ちで
胸が熱くなる
人生の大先輩
自然が好きで
あの雲、何に見える?とか
こんなかわいい虫がいたよ!とか
そんな話をする時は
まるで友のように。
あの日の電話、思い出す。
外に出て見て!虹が出てるよ!
うれしかったな。