匿名

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6/5/2024, 8:13:44 AM

狭い部屋で僕は一人、外を眺める。
電灯一つ無いこの部屋を照らすのは、外の光だけだ。
何かしたいけれどすることもないから、
ただ、ずっと外の世界に憧れている。
誰かが訪ねてくるわけでもないのに、
ただ、ずっと誰かを待っている。
外の世界の裏側を知るのは怖くて、
自分から誰かに会いに行くのは恐くて、
閉じこもって。動けなくなって。
それでも、外の世界は、
この部屋を照らし続けるのだった。

テーマ 狭い部屋

5/24/2024, 7:19:07 AM

感情の渦に呑み込まれて、僕は動けなくなった。
その上から覆いかぶさってきた「幸せ」のヴェールは、ただ息苦しさを加速させていく。

ー何不自由無く生きて、それでもまだ求めるつもりか。
お前はもう十分に幸せだろう?

抜け出そうと足掻いても、呆れたように笑われて、取り残されていくだけだ。
僕らは、きっともうこの場所から逃れられない。

テーマ 逃れられない

5/21/2024, 9:57:26 PM

両手で掬った水が、指の隙間から零れ落ちる。
腕を伝う水滴は、いつか君が流した涙に似ていた。
君のこころは、いつだって透明だった。
簡単に、どんな色にでも染まる。
僕のこころも、いつだって透明だった。
僕は君が、好きだ。好きで、嫌いだ。
君が、憎い。憎い…
黒い黒い内側を覆い隠すこともできないまま、
君を染めることすらできないまま。

テーマ 透明

5/1/2024, 8:06:32 AM

薄い桃色の花々が、いつしか私を包んでいた。
いつか貴方がくれた花。その花びらを、私は撫でた。
淡い青色の海と空が、私の前に広がっていた。
いつか貴方と見た景色。私は遠くへ手を伸ばした。

ここは私の楽園で、貴方との思い出で溢れる場所。
でも、それなのにどうしてか、貴方だけがいない場所。

甘い暖かい春風が、私の背中を押していた。
貴方の匂いがした気がして、私は後ろを振り返る。

テーマ 楽園

4/26/2024, 7:06:55 AM

「何となく」なんて理由で夜中に家を出ても何も言われなくなったのは、いつからだろうか。
この満天の星空を見ても何も感じられなくなったのは、いつからだろうか。
手を伸ばせば、幾らかは掴めると思っていたのに。
上を見上げれば、いつかは届くと信じていたのに。
いつか、私が星に願ったこと。
なぜか思い出して、意味もなくそれを呟いてみる。
目の前を流れ星が、ぱっと輝いて消えていったような気がした。

テーマ 流れ星に願いを

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