匿名

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両手で掬った水が、指の隙間から零れ落ちる。
腕を伝う水滴は、いつか君が流した涙に似ていた。
君のこころは、いつだって透明だった。
簡単に、どんな色にでも染まる。
僕のこころも、いつだって透明だった。
僕は君が、好きだ。好きで、嫌いだ。
君が、憎い。憎い…
黒い黒い内側を覆い隠すこともできないまま、
君を染めることすらできないまま。

テーマ 透明

5/21/2024, 9:57:26 PM